便秘薬購入前に絶対知っておきたいこと。効果を理解して自分の症状に合った薬を選ぼう
しつこい便秘を一気に直せるというイメージがあるのがテレビなどで宣伝されている便秘薬ですよね。
しかし便秘薬、いわゆる下剤が便秘に効く基本的なしくみは便に含まれる水分を増加させることで便を滑りやすくさせたり排便しやすい固さにすること、または腸壁や腸に関係する神経を刺激して蠕動運動を促すというものです。
便秘薬の種類
これらを分類すると機械的下剤、刺激性下剤、自律神経作用薬と大きく3つに分かれます。
機械的下剤
まず機械的下剤は塩類、膨張性、浸潤性、糖類下剤とさらに細かく4つに分類でき、塩類下剤の一つである酸化マグネシウムは医師が便秘薬処方時には第一選択肢として選ぶ薬ですし、その他は便を膨張させたり表面張力を低下させてたり浸透圧を上げるなどその名の通り機械的に排出する下剤なのです。
刺激性下剤
次の刺激性下剤は大腸や小腸を生薬であるセンナやアロエなどで刺激して便意を促すものです。
自律神経作用薬
最後の自律神経作用薬は副交感神経の刺激によって腸の蠕動運動を促すというものでメペンゾラートやパンテチンなどの薬剤を用います。
しかし、この自律神経作用薬は副作用があり、この薬を服用しないと便が出ないなどの症状がありますので医師の処方と指導が必要と言えます。
便が詰まっている場所によってもお薬は変わります
また、便秘薬でより効率的に便が滞留している部位によっても便秘薬を使い分けます。
これは一例ですが腸内の便の滞留している位置が横行結腸よりも上部に滞留しているときは刺激性下剤を就寝前に用いて朝に出るようにしますし、下行結腸よりも下に便が滞留しているときにはグリセリン浣腸をして腸を刺激します。
これらの処置も症状や医師の判断によって行います。
しかし、便秘薬はあくまでも便を出すだけの対症療法であり、便秘の元となっている原疾患をしっかりと治療しないと慢性的な便秘を引き起こしてしまうこともありますし、適度な運動や食生活など含めた生活習慣の改善も同時に行って行かないと根本的な便秘解消とは言えないでしょう。
便秘薬の自己判断は危険
ですから便秘薬の副作用などの事態を防ぐためにも便秘に関して症状が長引くなど不安なことがあれば消化器科の医師の診察を受けることをおすすめします。
特に刺激性便秘薬の場合は副作用を伴う可能性のものがありますし、浣腸なども医師の指導を受けないと細菌感染症を引き起こしてしまうこともありますので素人判断は危険です。
焦る気持ちで便秘薬を使って一気にすっきりしようという人は多いですが、「便秘に特効薬はない」そう心得て気長に便秘の解消をしていきましょう。