運動が便秘解消に効果的な理由:運動と腸の動きとの深い関係
便秘の対処法といいますと、普通は食事療法のみを考えてしまいがちです。しかし、現代人に多い運動不足も、便秘の原因の一つなのです。
運動をすることで、なんと排便のスピードが上がります。便が腸内にいる時間が少なくなるので、便秘の解消に繋がることがわかっているのです。その仕組みについて、詳しくお教えしましょう。
運動不足が便秘の原因になる理由
腸は普段、蠕動運動という動きを行っています。腸は伸び縮みすることで、便を先へ先へと押し出していくのです。この動きが遅いと、便の水分が取られすぎてしまい、固い便となってしまいます。
運動をすることで、呼吸数と心拍数が上昇します。これが、腸の蠕動運動を促してくれるのです。これにより、便はより速く腸内を進んでいきます。
それに加えて、運動によってお腹周りの筋肉が動き、それによって腸が動かされるため、便の移動も速くなります。
腸の動きは、運動によってかなり助けられている訳です。運動不足の人は、運動による腸の動きの助けを得ていません。そのため腸の蠕動運動が鈍くなってしまい、便は長時間腸内に居続けることになるのです。
現代の女性に便秘を患う人が多いのは、もしかしたら運動不足も要因の一つかもしれません。
効果的な運動の種類
便秘解消のために良い運動は、有酸素運動です。10分から15分のウォーキングを1日に数回やるだけでも、腸の働きを良くすることができます。ウォーキング以外にも、ジョギングやスイミング、ストレッチやヨガ等も効果的です。
排便というのは毎日行われますので、数日に1回まとめて運動するというのはお勧めできません。できる限り毎日運動するのがいいでしょう。
運動を行うべきタイミング
便秘を解消するための運動といっても、いつでもやっていい訳ではありません。タイミングを間違えると、逆に便秘を悪化させてしまう可能性もありますので注意しましょう。
食後1時間の運動は、できるだけ控えた方がいいです。というのも、消化器官は消化吸収行うのに多くの血液を必要とします。そのため、食後はお腹に血液が集まるのです。
食後すぐに運動をしてしまうと、血液が心臓や筋肉に流れていってしまいます。そうすると、消化器官は活動に必要な血液が足りなくなってしまうので、活動が弱まってしまうのです。その結果、便秘解消ではなく、むしろ便秘を悪化させてしまう可能性があります。
有酸素運動のお勧めのタイミングは、食前です。消化吸収のプロセスが大分進んで、消化器官も多くの血液を必要としていない時間帯なので、便秘解消には一番良い時間帯でしょう。