慢性的な便秘を治療する方法~便秘薬・下剤・手術による便秘解消
この章では生活習慣改善や民間療法ではなく具体的な薬や手術などによる治療について書いていきます。
便秘の治療法は器質性便秘と特発性便秘とで大きく変わってきます。
まず器質性便秘の場合、腸閉塞なら腸を元に戻す手術をすれば解消しますし、大腸ガンなら原発巣の摘出手術をすれば改善します。
また、投薬治療で炎症を抑えることも器質性便秘を改善する糸口となります。
しかし、特発性の場合はホルモンの影響や体質など慢性的に起こるものなので特効薬はありません。
便秘を改善する下剤の種類
そこで便秘の改善策として下剤の投与があります。
下剤は基本的に
・腸の蠕動運動を促すタイプ
・便に水分を含ませるタイプ
・腸の神経に働きかけるタイプ
の3つに分けられます。
その一例を見ていきましょう。
塩類下剤
酸化マグネシウムなどを用いて腸内の浸透圧を高めて腸内に水分を集めて排便を促します。
膨潤性下剤
薬剤が水分を吸収し、腸に水分が十分にもたらされることで蠕動運動を促進させます。
浸潤性下剤
便に直接働きかけて軟便化させ、排便を促します。
刺激性下剤
腸管の神経に直接働きかけて蠕動運動を起こさせるタイプですが、痙攣性便秘には用いません。
浣腸
便が滑りやすくなるようにグリセリンを直腸に注入するのですが、腹痛など腹部の不快感や
悪寒等が生じるので医師や薬剤師の指導を受けてから注入しましょう。
坐薬
炭酸ガスを腸内で発生させて蠕動運動を誘発させます。
直腸の便秘に良く効きます。
漢方薬
大黄甘草湯や麻子仁丸などがあります。
また漢方薬の場合、自然の物から出来ているので副作用が少ないと言えるでしょう。
整腸剤や漢方薬は継続しての服用が必要
他にもビフィズス菌や納豆菌などの乳酸菌を使った整腸剤もありますが、個人差がありますし、蠕動運動を摂取後すぐに促してくれるわけではありませんが、体に悪い悪玉菌の増殖を抑制して整腸作用があるので継続して摂取すると良いでしょう。
また、漢方などの生薬なども継続して飲まないと効果が表れないのでいずれにしろ気長に治療していくことが大切です。
耐性ができて薬が効きにくくなることも
このように下剤で排便を促すという方法もありますが腸がその下剤になれてしまう、言わば耐性が出来てしまうと再び便秘になってしまうのです。
また、精神的な依存状態になってしまうと薬がより効きにくくなってなってしまうので医師や薬剤師の指導の下、下剤のタイプを変えていくのも一つの手です。
総合的に言うと下剤を使うとしたら耐性が出来にくく、効果が出現しやすい酸化マグネシウム錠などの塩類下剤が良いですが、下剤や整腸剤を使う際は薬剤師や医師に相談して使いましょう。