シワを伸ばす効果が高いボトックス注射の「ボツリヌス菌」は恐ろしい?
シワを伸ばす効果が高く、美容整形手術でも頻繁に行われている「ボトックス注射」ですが、それに使用されている「ボツリヌス菌」とは、どのような存在なのでしょうか?人体への影響は?
それでは、あまり知られていないであろう、「ボツリヌス菌」と「ボトックス注射」についてのお話です。
「ボトックス注射」の原理は、注射により体内に注入された成分が、筋肉の緊張をなくし(筋肉の動きを麻痺させる)、特に表情筋の動きをストップさせることにより、シワを改善させようということなんですね。
でも、「ボツリヌス菌」っていったいなに!?
それではまずはここから、ご説明させて頂くことにしましょうね。
実は、「ボツリヌス菌」はA~Gに分類され、つい最近発見された「ボツリヌス毒素」では、成人に対し20億分の1を体内に注入した場合、死亡に至らしめるという、驚異的な破壊力を持つ毒素であることが判明しています。
また、「ボツリヌス毒素」による死亡例は19世紀のヨーロッパを中心として、数多く報告されています。
これは、古くから腸詰(ちょうづめ・ソーセージの意味)の文化のあるヨーロッパでの衛生管理に起因しており、「ボツリヌス中毒」と呼ばれています。
その後、腸詰には発色剤である硝酸塩が使われるようになりましたが、現在ではおもに「ボツリヌス菌」の繁殖を防ぐということが、大きな目的となっていますね。
じゃあ、そんなに危険な菌を身体に入れたらやっぱりアブナイんじゃないの!?
当然、そのような疑問も湧き上がってくることでしょう。ですが、美容外科でシワ伸ばしを目的として行われている「ボトックス注射」は、「ボツリヌス菌」そのものを注入しているわけではないんですよ!
「ボトックス注射」の中身を、詳しくご説明します
それでは次に、「ボトックス注射」の中身を、詳しくご説明させて頂くことにしましょうね。
現在「ボトックス注射」は、既定の講習実技セミナーを受講した医師により、施術されることが前提とされています。
そして問題の「ボトックス注射」の中身ですが・・・。
「ボツリヌス菌」が作り出す「ボツリヌストキシン」という、天然のタンパク質である毒素が、その正体なんです。
と、聞いても、やはり毒素となると、躊躇してしまう方も少なくはないでしょう。
ですが、「ボツリヌストキシン」がそのまま人体に注入されることはありません。というのは、「ボトックス注射」で使用される「ボツリヌストキシン」はA型の「ボツリヌス菌」に限定され、さらにそれが規定値に希釈されて体内に注入されているからなんです。
と、ここまでお話を進めても、まだ「ボトックス注射」に対し、抵抗や恐怖を感じる方もいらっしゃることでしょう。
それでは、実際に医療用として行われている「ボトックス療法」について、触れておくことにしましょうね!
皆さんは、「頸性斜頸(けいせいしゃけい)」という症状をご存じでしょうか?
これは、自分の意志とはまったく関係なく、頸が傾いてしまったり、曲がってしまったりする症状を指します。その原因は、先天性(先天性障害)であったり後天性(交通事故の後遺症など)であったりしますが、そのような症状に対し、素晴らしい効果を発揮するのが「ボツリヌス菌療法」であるといわれています。
また、「ボトックス注射」や「ボツリヌス菌療法」で使用された「ボツリヌストキシン」は、永久に体内に留まるということはなく、注入場所や注入量にもよりますが、およそ6カ月を目途に、体内に吸収され、効果もなくなります。
いかがでしょうか?
「ボツリヌス菌」自体は、人体の生命を脅かす危険な存在ではありますが、「ボトックス注射」や「ボツリヌス菌療法」は、人体に害を及ぼさないものであるということを、ご理解頂けたのではないでしょうか?
ですが、海外の一部では、規定量を無視した「ボトックス注射」が行われている場合もありますので、「ボツリヌストキシン」が使用されている量など、十分な情報収集を行った上で、施術を受けることをオススメします。