日焼け止めに表示されているPA値。プラスの数の意味するものは?
日焼け止めを選ぶときに、SPF値には注意して選んでいると思います。
SPF値は紫外線B波(炎症を起こす紫外線)を防御する値ですよね。
ところで商品にはPA値も記載されていますが、どういう値かご存じですか?
PA値とは?
紫外線には波長の長いA波と波長の短いB波があり、PA値とは紫外線A波(皮膚を黒化させる紫外線)を防ぐ効果の値です。
この紫外線A波は全紫外線の90%以上を占めて、大量に太陽から降り注がれています。
エネルギーはB波に比べて弱いため当たっている実感がしにくいのですが、雲やガラス、衣服も通って私たちの肌にあたっています。
一番問題なのが、紫外線A波は皮膚の内部(真皮)にまで到達してしまうので、シワやたるみなど皮膚の老化を進めてしまうこと。
きちんと防御したい紫外線なのです。
紫外線A波を肌に照射すると、2~4時間後に皮膚内にあるメラニン色素が酸化して黒くなるのですが、
PA値は、この黒くなるまでの時間を何時間先に延ばすことができるか?を測定した値です。
「+」の数でランク分け
PA値はSPF値のように数字では表記しません。
「+」の数で4段階にランク分けします。
PA++ 「かなり効果がある」
PA+++ 「非常に効果がある」
PA++++ 「極めて効果がある」
+の数字が最高で4つまであります。日本語での効果表現は違いが分かりにくいかもしれませんね。
日本化粧品工業会が定めている数値で、日本独自の表現になりますが、2012年まではPA+++(スリープラス)が最高表示でした。
しかし、高性能のUVA防止商品のへのニーズの高まりとともに、高PA値処方の製品も進歩してきたため、2013年1月よりPA++++(フォープラス)が解禁になりました。
欧米でも同じ表記?
SPF値は世界で共通の表記なのですが、紫外線A波に対する防御の数値は、欧州ではPPD(Persistent Pigment Darkening)値という数値で表記しています。
フランスやイタリアの日焼け止めを見た際、戸惑ってしまうかもしれませんね。
日本のPA値は欧州のPPD値を4段階にランク分けしてわかりやすくした数値なのです。
PPD4~8 =PA++
PPD8~15 =PA+++
PPD16以上 =PA++++
PA値のほうがわかりやすいですよね。
欧米ではさらにUVAマークの表示も
さらに欧州では「UVAマーク」というものを設定しています。
UVAマークは、SPF値の3分の1以上のPPD値があれば表示できるマークなのです。
なので、SPF30の商品であればPPD10以上の効果があれば「UVAマーク」が記載してあるので、紫外線A波もB波もバランス良く防御してくれる商品であるということが一目瞭然なのです。
2013年から、日本でも「UVAマーク」を記載した商品が発売されましたが、日本はわかりやすいPA値表記を実施しているので、あまり認知されないままになってしまいました。
外国に行く際は「UVAマーク」のことを知っていると便利ですね。