髪や頭皮のケアだけではもったいない!椿油の美容効果【まとめ】
椿油(ツバキアブラ)は、最初の記録は8世紀までさかのぼれるという、日本で昔から使われている伝統的なオイルです。でも、意外に詳しいことを知らないという人も多いのではないでしょうか。ヘアケアに良いことで知られていますが、じつは幅広い用途があります。椿油の特徴や使い方をまとめてみましょう。
椿油の産地
ヤブツバキから採取される植物油を指し、産地としては、伊豆大島の大島、利島、長崎県五島列島福江市、新潟県佐渡ヶ島が有名です。
長崎県諫早では、サザンカから椿油を採取し、中国ではユチャ(油茶)という植物などからも採取されていますが、ツバキ属のほかの植物から採れる類似のオイルもあり、それは「カメリア油」と呼ばれています。
椿油の伝統的な用法として、髪付け油、磨き油としての使い方があります。
髪付け油は、びんつけ油という呼び方が伝統的です。現代では、相撲の力士がまげを結う時や、京都の舞妓さんの髪結いにも使われています。
磨き油としては、日本刀、木刀、碁盤、木彫り、櫛などの木製品のツヤ出しに使われます。
椿油の特徴
椿油の特徴は、ねっとりした粘性の高い性質です。
オレイン酸が豊富なので酸化しにくい性質もあります。
椿油の成分
オレイン酸が50%を占めます。ほかに、リノール酸が22%、パルミチン酸が18%を占めます。
ヘアケアの使い方
洗髪の後、ドライヤーの前に使いましょう。
椿油は量が多すぎると逆効果になるので、最初は少しずつつけて様子を見ましょう。
まずは1滴を手のひらに取り、毛先を中心にのばしてつけます。
それからドライヤーを使うと、椿油の強力な保湿力でドライヤーの熱から髪を守ることができます。
この時にパサパサする感じがある場合は、もう1滴椿油を手に取り、髪につけましょう。
髪が長い人や量が多い人は、最初はそれでも足りないかもしれないので、1滴ずつ様子を見ながら足していきましょう。
うまく毛先全体につけられると、ドライヤーが終わってひと通り乾いた時には、サラサラツヤツヤの髪が実感できます。椿油は効果抜群で即効性があるので、つけた時からしっとりまとまるのを感じることができますよ。
この用法で毎回使っていると、しだいに髪のダメージがなくなり、きれいにまとまる髪に変わっていきます。枝毛や切れ毛があると、毛先がパサついて広がってしまいますが、傷のないきれいな髪は、指通りが良く、まとまりやすくなります。椿油はこれといった栄養分が含まれていないのですが、強力な保湿力で髪を守るので、枝毛や切れ毛にこすれて新しくダメージのある毛が増えることがなく、しだいにきれいな髪になっていくのです。
とっておきのヘアケア!椿油を使った頭皮のオイルパック
ヘアケアの中でも髪の健康のカギを握る頭皮の環境を整える頭皮ケアの方法をご紹介しましょう。
(1) 5ml程度(ティースプーン1杯)の椿油を指先につけながら、頭皮をゆっくりやさしくマッサージします。前から後ろへ、サイドから上へ、後ろから前へ、と全体に椿油をつけます。
(2) そのまま5分待ちます。この間にツボ押しなどをするのも効果的です。
(3) シャンプーをよく泡立てて洗い、しっかり流します。
この頭皮パックは週1回程度で十分です。かゆみ、べたつきがなくなり、頭皮がきれいになり、髪がフワフワになります。
椿油はつけすぎに注意!
じつは椿油の口コミを見ると、悪いものもけっこうあるのです。
それは、テカテカになった!ベタついて何日も洗っていないみたいになった、というケースが多いです。
これは、椿油のつけすぎが原因です。
椿油は、適量をのばしてつけましょう。ポイントは次のようになります。
・生乾きの時に全体に薄く伸ばす
・毛先だけの場合、適量は2滴程度
乾いた髪につけようとするとどうしても量が多くなってしまうので、湿っている時につけるとつけすぎを防ぐことができます。
また、根元からつけるのもつけすぎてゴワつく原因になるので、毛先を中心につけましょう。
髪の量にもよりますが、毛先だけなら普通は2滴、量が多い人は少し増やすなど調整して下さい。
スキンケアにも使える椿油
伝統的に髪のお手入れに使われてきた椿油ですが、最近はスキンケアでの利用も増えています。
じつは、京都の舞妓さんも、厚塗りのお化粧を落とす時にクレンジング剤としてオリーブオイルや椿油を使っているそうなので、伝統的な用法なのかもしれません。
大島での椿油の用法から、スキンケアの主な用法を3つご紹介しましょう。
1. クレンジング
・乾いた手に椿油を約10滴たらし、顔全体に伸ばします。
・ポイントメイクの部分を中心に指先でクルクル円を描きながらメイク剤を椿油になじませます。
・洗顔料で洗い流します。
2. オイルパック
・洗顔の後、椿油を顔全体に伸ばします。
・5分から10分そのまま待ちます。
・ティッシュなどでふき取ります。
・洗顔料で洗い流します。
3. 角栓ケア
・クレンジングの後、椿オイルを毛穴の目立つ小鼻の周りに十分につけます。
・気になる部分を3分程度マッサージします。
・蒸しタオルを当てて2分ほど待ちます。
・洗顔料で洗い流します。
いずれも、最後に洗顔料できれいに洗い流すところがポイントですね。
椿油は酸化しにくい良質のオイルですが、お肌に残ってしまうと悪影響なので、しっかり落としましょう。ただし、無理にこするのはお肌に負担がかかり、肌荒れの原因になりますので、やさしく丁寧に洗顔料と椿油をなじませて一緒に洗い流すようにすることが大切です。
以上、椿油についていろいろな用法をご紹介してきましたが、日本古来の天然オイルの万能ぶりを知っていただけたでしょうか。日本人の肌質や気候に合った天然オイルなので、うまく活用していけると良いですね。