あなたの保湿方法、間違ってない?乾燥肌を改善する潤いケアとは
乾燥肌のスキンケアといえば、1に保湿、2に保湿、3、4がなくて5に保湿、と言われるくらい保湿が大切、といわれています。
お肌に水分をたっぷり与えた後、その水分の蒸発を防ぐ、というのがスタンダードなスキンケアの方法ですが、それでもなかなか乾燥肌が改善しないという方も少なからずいらっしゃいます。
ここでは、「毎日一生懸命ケアしているのに効果が出ない、どうしてなの?」という乾燥肌の悩みを一緒に解決していきたいと思います。
「与える」より「育む」保湿を
私たちの肌の水分保持力は、角質層の細胞間脂質が8割、天然保湿成分(NMF)が2割弱を担っています。
乾燥肌というのは、これらの水分保持力が低下している状態、つまり、必要な水分を保持するために重要な役割を果たしている細胞間脂質や天然保湿成分(NMF)が減少している状態を表す言葉です。
「化粧水でお肌にたっぷり水分を与えたら、油分でフタをして蒸発を防ぐ」というのが、従来の乾燥肌ケアのセオリーですが、実はこれだけではお肌の水分量を増やすことはできません。
重要なのは、「外から水分を与え続ける」ことではなく、「お肌本来の保湿力を維持し、高めるか」ということです。
「取り去り過ぎない」保湿
肌それ自身が作り出す皮脂や細胞間脂質、天然保湿成分(NMF)は肌にとって最も適しており、高い保湿効果を持っています。
しかし、多くの乾燥肌の方は、肌にとって必要なこれらの保湿成分を自ら取り去ってしまっているのです。
具体的には、
・強力な洗浄力を持つ洗顔剤による「洗い過ぎ」
・ゴシゴシと肌を擦る洗顔方法による「擦り過ぎ」
・脂とり紙で必要以上に皮脂を「取り去り過ぎ」
など。
これらによって、お肌の健康を保つために必要な保湿機能は奪われてしまい、結果、お肌は乾燥します。
化粧水などによって外部から保湿成分を補うを前に、まずは保湿成分の取り去り過ぎを止めることが乾燥肌の改善への第一歩です。
外から補うべき成分は?
健康な状態のお肌であれば、間違ったクレンジングや洗顔方法などを改めることで、お肌からの細胞間脂質や天然保湿成分(NMF)の過度な流出がストップするので、お肌のバリア機能が回復し、乾燥はおさまるはずです。
ただし、加齢や過度の乾燥などで、お肌のバリア機能が弱まっている場合には、ちょっとやっかいです。
こういった場合、細胞間脂質や天然保湿成分(NMF)の生成力も衰えてしまっている可能性が高いので、これらを正常な状態に戻しつつ、不足している分を補う方法のスキンケアをする必要があります。
不足している細胞間脂質や天然保湿成分(NMF)を補って乾燥肌を改善する方法には、「細胞間脂質の主要成分であるセラミド、天然保湿成分(NMF)の主要成分であるアミノ酸など、不足している成分それ自体を補う」方法と、「細胞間脂質や天然保湿成分(NMF)の生成力を賦活する成分を補う」方法の2つが考えられます。
これらのどちらか、または2つを併用して、自分のお肌のバリア機能を正常な状態に引き戻すスキンケアを行ってください。
イメージ先行の「勘違い保湿」にご用心!
半身浴などで長く入浴し、お肌を蒸気に当てると保湿効果がある、という説がありますが、実はお肌が濡れている状態が長く続くと、角質層の細胞間脂質や天然保湿成分(NMF)は流出してしまいます。
また、細胞間脂質や天然保湿成分(NMF)を含まない、または賦活する作用を持たない化粧水で長時間のローションパックを行うことも、角質層の保湿成分を流出させてしまいます。
さらに、美容オイルの塗りすぎが細胞間脂質のバランスを崩してしまい、お肌のバリア機能に悪影響を与えてしまう可能性もあります。
これらの誤った保湿方法で、お肌のバリア機能を低下させてしまっている方が少なくありません。
よかれと思って続けている乾燥肌のケアが、実は乾燥を助長していたなんて、悲しすぎます。心当たりがあるようならば、一日も早く改善しましょう。
ひどい乾燥にはシンプルケアを
お肌の乾燥は、お肌のバリア機能が弱っている結果です。
つまり、お肌が外界からの刺激に対して抵抗力を失っており、異物が入り込みやすい状態になっている、と言えるのです。
こんなときにたくさんの種類の化粧品をお肌につけると、それだけでさまざまな化学物質による刺激をお肌に与えてしまいます。
ことによると炎症やアレルギーなどを起こし、ひいてはシミを残してしまうなどということにもなりかねません。
ひりひりと肌が痛むほど乾燥がひどいときには、化粧品を変えたり、多くの化粧品を重ね付けすることは控えたほうが無難です。
なるべく使用する化粧品の種類を少なくし、シンプルなケアを心がけてください。
あまりに乾燥がひどい場合には、皮膚科を受診することも検討しましょう。
乾燥肌を改善するためには、「取り過ぎず与え過ぎないスキンケア」で衰えた肌のバリア機能を正常な状態に引き戻すことが重要です。
正しいスキンケアで、一日も早く、丈夫で美しいうるうる肌を取り戻しましょう。