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歴史の要所に語られているアロマテラピー(1)古代・中世と香りの歴史



アロマテラピー

 
今まで様々なアロマ実践方法についてご紹介してきましたが、ここで一度原点に立ち返り、アロマの歴史について振り返ってみましょう。
今回は古代から中世にかけてどう発展していったのか、というお話をしたいと思います。

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アロマテラピーの歴史(1)古代・中世
アロマテラピーの歴史(2)日本

 

 

1.香りという概念は古代から存在する

前述したとおり、アロマの歴史は紀元前3000年頃、古代エジプト文明(世界四大文明の一つ)が起こった頃までさかのぼります。
この頃の古代エジプトでは、香りは神へ捧げるものとして香りをたいて祈りを捧げるという習慣が既にありました。

 
ミイラを作る時にも、防腐剤としてフランキンセンスやミルラ、タイムなどの植物を使っていました。
紀元前30年頃まで活躍したとされるクレオパトラはバラを好み、入浴や香水に使っていたというお話は非常に有名です。
紀元1~2世紀に書かれた「新約聖書」には、イエス・キリストの誕生の際、東方の三賢人が黄金、フランキンセンス、ミルラを捧げたという記述が残されています。

 

アロマテラピーに影響を与えた著書

学問では、古代ギリシャのテオプラストスという植物学者が著した「植物誌」が植物学の発展に大きな影響を与え、彼は「植物学の祖」と呼ばれています。
「植物誌」は植物の特徴など500種以上もの植物をテオプラストス自身が観察した記録であり、ルネサンスの時代まで最重要文献として扱われてきました。

 
紀元後の時代になると、ディオスコリデスという古代ギリシャの薬理学者・植物学者が著した「マテリア・メディカ(薬物誌)」という書物が有名です。
約1000種類もの自然の生薬について症状に合わせた投与量や使い方などが記された本で、医学の分野で活用された本でした。

 

 

2.精油の蒸留法がついに確立された中世

時を経て11世紀頃の中世になると、イブン・シーナというペルシアの哲学者によって精油の蒸留法がついに確立されました。
彼はこれを治療に応用し、アロマテラピーの原形を築いたのです。彼が著した「医学典範(カノン)」は17世紀頃まで西ヨーロッパ諸国の医大の教科書に使われたほどです。

 
世界史に詳しい方はご存知のように、中世では十字軍の遠征というものが起こりました。東西を往来する中で、ハーブや薬草、精油蒸留法などがヨーロッパに伝えられたといいます。
時を同じくして、ハンガリーでは手足の痛みに苦しんでいたハンガリー王妃がローズマリーを含んだ痛み止めを使用すると、症状が良くなり、70歳を超えても隣国の王子が求婚したという伝説があります。それ以来、この薬は「若返りの水」と呼ばれるようになりました。
これらの時代を経て、薬草を使って治療を行う人が活躍するようになり、さらに植物学、医学は発展していきました。

 
マリア・リス・バルチンという人が著した「アロマセラピーサイエンス」(2011年発行)という本があります。これは医療従事者向けの難しい本なのですが、歴史的背景に関する記述もありますので、もっと知りたいという方はぜひ読んでみてください。その他、精油についての詳細解説や施術法なども記述されているのでよかったら参考にしてみてください。

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