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遠い東洋の異国をイメージしたオリエンタルノートは官能の香り



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一口に香水と言っても世には数え切れないほどの種類の商品があります。一つの香水には数多くの香料が少しずつ使われており、それらが複雑に絡み合いながら織りなす香りには二つと同じものはありません。

しかしそれらの香水は幾つかの系統に分類することができます。これを香調といいます。この中の一つについて紹介します。


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オリエンタルノートの特徴

オリエンタルノート。その名は東洋を表します。主に東南アジアや中近東で取れる香料をメインに使用した香水です。ムスクやアンバー、香辛料や樹脂(バニラやミルラ)が使用されます。

オリエンタルノートは妖艶で絡みつくように甘い香りです。重く、しつこく、暖かく、エロティックで、濃厚で、どちらかというと昼より夜を連想させます。有名なオリエンタルノートの香水にイヴサンローランのオピウムや、ゲランのジッキーやシャリマーなどがあります。先に述べたようにその香りは爽やかさより妖しさ、清々しさよりしつこさがあり、ヨーロッパの真昼の庭園の明るさはイメージできません。それは官能の香りであり、ミステリアスな香りであり、底知れぬ深さを持った香りです。

 

官能的すぎて日本では不人気?

オリエンタルノートの香りは女性の神秘性を盛り上げるのに一役買っています。たとえばイヴサンローランのオピウムなどはその名前からして毒々しく(オピウムは阿片の意味)、女性のセクシーさを強調するものです。ヨーロッパでは人気のある香調ですが、東洋調という名前にもかかわらず、実は日本ではあまり好まれないのがこの香りです。清楚さを美徳とする日本人の感覚からすると確かにそれも頷けます。

一部の少なくない人々はかしこまった場にふさわしくない香りとしてこの香調の名前をあげ、葬儀ややや固めのセレモニーにはまとうべきではないとさえ言っています。それほどにオリエンタルノートはある意味で清楚さとは対局にあり、それゆえに官能の香りとしてその人気を得ているのです。

 

エキゾチックな異国をイメージした香り

東洋で取れる香料を使っているからオリエンタルノートと呼ばれている、と書きましたが、やはりそれだけではありません。その香りはヨーロッパから見た、東洋に対するイメージなのかもしれません。その昔、今ほど交通機関が発達していなかった時代は異国の地をその足で踏むことはできませんでした。一握りの冒険家達によって存在が知られていた東洋の国はヨーロッパから見るとまさに異郷です。おそらく今でも、エキゾチックな遠い国という意味で東洋を見ている人々は数多く存在します。

東洋ーーー。それはオリエンタルノートの香りそのもののように妖しく神秘的でエキゾチックな見知らぬ国……。東洋に対する、憧れと恐れが詰まったオリエンタルノートは見果てぬ世界へのロマンそのものなのです。

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