顔や頭皮が痒い!痛い!もしかしたらその症状「脂漏性皮膚炎」かも?
今までこんな症状なかったのにというような顔や頭皮の痒み。実は前触れがあったのかもしれません。脂漏性皮膚炎という病気をご存じでしょうか?
かつては脂漏性皮膚炎は男性が主流の疾病でした。ところが最近では女性でも脂漏性皮膚炎に罹る人が増えてきています。
脂漏性皮膚炎だと判断することが難しく、アトピーと判断されてしてしまうことが多いようです。
アトピーだと思ってステロイドを塗って治療を長年続けていたけれど一向に治る気配がない。
そのような場合は脂漏性皮膚炎を疑ってみることをおすすめします。
それでは脂漏性皮膚炎の症状についてみていきましょう。
脂漏性皮膚炎?強い痒み・痛み・落屑があるときのセルフチェック
1. 数日前に紫外線にじかに当たってしまった
梅雨の時期など日差しが強くないときは、ついつい日焼け止めを塗らずに外出してしまうことがあります。
そんなときに帽子もかぶらず、直接頭皮に紫外線が当たると要注意です。
皮脂が過剰に分泌しているときは、皮脂に紫外線を保護するスクワレンという物質を紫外線が吸収してしまうということが起きます。
そうなると過酸化脂質ができてきます。この脂質が肌や頭皮の細胞膜を傷つけるのです。
その結果皮膚は炎症を起こし、脂漏性皮膚炎となってしまいます。
2. この1~2ヶ月の間、甘いものを大量に食べていた
マラセチア菌は皮脂をエサにします。甘いものは皮脂をつくる原因となります。
シュークリームやケーキ、チョコレート、アイスなどをご飯代わりに食べるなどということを毎日のように続けていると、異常に皮脂が増えてきます。
暑い日などにアイスクリームを大量に食べるという方も要注意です。
3. 揚げ物や肉などの油っこいものをよく食べる
油っこいものはそのまま皮脂になります。お肉が好きで2日に1度は牛肉をしっかり食べるという方は要注意です。マラセチア菌は人の体の常在菌なのです。
ポテトチップスを毎日1袋食べたりすると、1週間ほどで顔は皮脂でいっぱいになっています。マラセチア菌はその時点で増殖を開始しています。
天ぷらやとんかつなどの揚げ物も美味しいですが、できるだけ控えるようにしましょう。
4. 睡眠不足になることが多い
気づいたら睡眠時間が3時間だった日が1週間のうちに3日も4日もあったなんてことはありませんか?
睡眠不足は体にとって免疫力を下げる働きをしてしまいます。本来なら脂漏性皮膚炎にならないようなケースでも、脂漏性皮膚炎を引き起こしてしまうということがあるのです。
忙しくても睡眠は1日のうち7~8時間は取るようにしましょう。
症状から判断できる脂漏性皮膚炎
ある日強い痛みと共に強烈な痒みが襲ってくる。とても怖いことです。昨日までは問題がなかった顔や頭皮が突然ボロボロになるのですから。
1. 耳たぶの付け根やあごにも同じような痒みがある
頭皮がかゆいと同時に、耳の付け根やあごの裏側やエラ部分に同じような痒みがあれば脂漏性皮膚炎を疑います。
他には眉部分、鼻の付け根部分、鼻部分やまぶたや頬などにも強い痒みが出ます。
2. 皮膚が剥がれ落ちるときに皮脂が出ている
落屑をする前に、必ず痒みがあります。そしてその部分の皮を軽く剥がしただけで剥がれます。このとき、剥がした後にも皮脂がついています。
この場合は一日に何度もかさぶたができては剥がれるということをします。このケースではアトピーでなく、脂漏性皮膚炎だと考えます。
3. 痒みや落屑があるが、左右対称ではない
アトピーの特徴は左右対称に症状が出ることです。もし左右対称でない痒みや痛みを伴った落屑が何度もある場合は、脂漏性皮膚炎を疑いましょう。
脂漏性皮膚炎は皮膚の炎症を抑えるために頭皮が固まることによって、そこへ皮脂がさらにたまり、常在菌であるマラセチア菌が頭皮をはがしていくので落屑が起こるのです。
落屑の前に強い痒みとともに、頭皮が熱を持っている場合はアトピーや蕁麻疹の可能性があります。脂漏性皮膚炎は熱を持った強い痒みはないようです。
4. 湿ったフケが落ちる
脂漏性皮膚炎の特徴は皮脂です。しかも大きなフケが落ちます。皮脂を吸い込んだフケというのはどんな感じなのでしょうか。
鉄棒でマメができた手のひらから剥ける皮のように、分厚くて水分を含んでいるフケです。この場合は脂漏性皮膚炎の疑いが大きくなります。
5. 日光に対するバリア機能がない
以前は平気だったのにもかかわらず、日光に当たった次の日、強い日焼けをしたように顔や頭皮がヒリヒリするということが起こる場合、脂漏性皮膚炎を疑います。
SPA50の日焼け止めを一日に何度も塗り直していても、次の日になるとやはり、頭皮がピーリング状態になるということが起きます。
脂漏性皮膚炎を完治させるための対処法
脂漏性皮膚炎になるとなかなか治りにくいと言われています。それは皮膚の表面的な病気ではなく、免疫力の低下からも起こる病気だからです。
生活習慣の乱れが長年つづくと、治療にも同じ期間を要します。
皮膚科で塗り薬を処方してもらい、一旦は治ったように見えても、免疫力が回復したわけではありません。マラセチア菌が増殖しやすい状況は続き、再発を繰り返すということをしてしまいます。
そうならないためにも、表面的な頭皮ケアはもちろん、免疫力を上げるための生活習慣を身につけていくことが必要です。
1. 栄養と睡眠はしっかりと
免疫力というものはいつのまにか下がっています。その原因は睡眠不足であることが多いようです。
脂漏性皮膚炎の症状が出てきたら、何も考えずにとにかく睡眠をよくとるようにすることと、栄養をしっかりとつけることが肝心。発酵食品であるヨーグルトは毎日でも食べやすく、お勧めです。
2. 美容皮膚科に行ってみる
美容皮膚科では今自分が行っているスキンケアが正しいのか、化粧品レベルで相談することができます。
皮膚科にいくとそこまで相談はできません。もちろん皮膚科でも、美容面を重視している先生がいらっしゃるところなら、おすすめの化粧水を置いてくれていたりしますが。
3. 1日2回のぬるま湯での洗顔、2回のシャンプーを
脂漏性皮膚炎はとにかく皮脂が出てきます。1日に2度シャンプーをして、頭皮の皮脂を洗い流しましょう。ただしシャンプーは普段の量を朝と夜の2度に分けるようにし、1日に使うシャンプーの総量は同じにしましょう。そうしないと頭皮を逆に傷めるからです。
洗顔は1日に朝晩の2回と、他にはお風呂での洗顔のみにとどめてください。
その際に水だと皮脂が溶けないので、ぬるま湯で洗顔することをおすすめします。
おすすめシャンプーはコラージュフル
持田製薬
コラージュフルフルネクストシャンプー・リンス
400ml 各3,000円
お値段は少し高めですが、使い続けていくうちにいつのまにかフケもかゆみも消えていくシャンプーです。
抗真菌剤のミコナゾールが配合されています。薬用で無香料、無色素なので安心です。
重症の場合、脂漏性皮膚炎用のシャンプーを使っていてもすぐに慣れてきてしまい、また脂漏性皮膚炎が再発してしまいます。色々なシャンプーを定期的に換えてみることもおすすめです。
いかがでしょうか? 脂漏性皮膚炎は免疫力が上がらないと頭皮も顔も治ってきません。とはいえ、表面的なケアを怠ると悪化にもつながります。
脂漏性皮膚炎の痒みや落屑で最初は戸惑うかもしれませんが、免疫力が上がってくると緩和されてきます。それまで食事や睡眠、シャンプーでしっかりケアをしていきましょう。