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私が経験した不安(適応)障害と治癒までの道のり



頭を抱えている女性

次からは更年期障害について考察していこうと思いますが、その前に私が昔経験した「パニック症候群」、「不安(適応)障害」、「自律神経失調症」についてお話しさせて下さい。


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理由は、更年期障害で起こる諸症状とそれらの症状には多くの共通点があるからです。

また、不安障害や自律神経失調症で悩んでいる患者さんは女性の方が割合的に多い印象があります。

私は病院での治療と並行して、他の様々な方向からも治癒への足がかりを掴もうと多くのトライアルをしてきました。

中にはうまく行ったものもあれば、そうでもなかったものもあります。が、合うか合わないかは実際にやってみなければ分かりません。

そんな私の経験が今現在更年期障害に悩む方々のお役に立てるかもしれない。そう考え、これまでの経験を綴ることにしました。

まず最初にこれらの症状へのイントロダクションとも言える私の簡単な履歴をお話します。

私は若い頃からかなりな「あがり性」で、たいしたこともないのに緊張する事が多く、その影響が身体に出やすい体質であるという自覚がありました。

最初にはっきりとそれが現れたのはまだ中学生の頃です。

今から思えばあれは過呼吸発作だったと思われますが、当時はそういった観念自体一般的ではありませんでした。

かろうじて「心身症」というものが少しづつ知られるようになってきた頃の話です。そして自分でも何故緊張すると呼吸が苦しくなるのか理解できませんでした。

激しい症状を引き起こす決定的な出来事は結婚後まもなく起きました。

新婚生活は問題なく楽しい毎日でしたが、ちょうど同じ頃数年来親しくしていた知人(女性)との間にトラブルが。

ある日それまでの彼女とはまるで違う人間が書いたとしか思えない内容の手紙が何通も送られてきました。

最初の手紙の内容があまりにも衝撃的だったため、二通目からは封を切ることさえ出来ませんでした。

それから数日後、朝起きようとした私をこれまで経験したことがないような激しい目眩が襲いました。

目眩に続いて吐き気、更には一週間近く殆ど眠る事ができなくなったり、更には理由のない強い不安感、焦燥感、憂鬱感などが続けざまに現れるようになりました。

ここに至ってようやく私は心療内科を受診することに。そして「不安(適応)障害」(後に受けたカウンセリングでは「自律神経失調症」も追加)と診断されました。

自律神経失調症、パニック症候群、不安障害はそれぞれ病名は異なりますが、根っこの部分では同じような性質を持っていて、最も端的な特徴は「交感神経が常に優位の状態にある」ということでしょうか。

交感神経は昼間の神経、あるいは戦う神経とも言われ、身体を緩め休息させる副交感神経と対をなすもの。この二つのバランスが取れていると人は健康ですが、バランスが崩れると様々な不都合が現れます。そして現代は常に周囲を刺激とストレスが取り巻いているため、交感神経だけが強く働きがちです。

これらの症状が男性よりも女性に多いのは、ホルモンを分泌する脳の視床下部が自律神経のセンターでもあることと関連があるようです。

そして私の例のように、何かのきっかけでバランスが大きく崩れると、不眠、目眩、耳鳴り、頭痛、吐き気、不安感、イライラ、などといった様々な症状が次から次へと出てくるわけです。

そしてこれらの症状は先に言及した更年期障害で現れる症状とほぼ同じ。要するに自律神経失調症も更年期障害もそのおおもとは脳の中にある視床下部で異変が起きた結果起きると言えるでしょう。

さて、話を私の病気のことに戻します。病院での治療はもちろん投薬が中心でした。でもそれだけでは何だかこころもとない。

他に何かできることはないのか。そう考えまず試したのがカウンセリングでした。
そこでのカウンセリングはマンツーマンでカウンセラーに話を聞いてもらう一般的なものと、催眠療法を組み合わせた独特なもの。

催眠療法と聞くと何やらうさん臭い感じがしますが、実際に体験してみて思ったのはこれは「催眠」というよりは「暗示」であるということでした。

心を覆っているネガティブな感情の下にポジティブな感情やものの見方ができるようなフレーズを吹き込む。そういうやり方でした。

カウンセラーは元精神科医だった方。ですから現代医学による治療法も当然熟知していて、安心して何でも相談できるのが当時の私には有り難い存在でした。

またこのカウンセラーからは、現代医学以外の東洋医学や代替療法と呼ばれるものに関する知識もたくさん得ることができたので、今でも感謝しています。

ここでのカウンセリングは約1年半あまり。殆ど薬を飲まなくても良い状況にまで持って行く事ができ、最終的に妊娠がわかった時点で薬は完全にやめる事ができました。

「(この妊娠は)貴女の身体が『もう大丈夫』と言ってる証拠ですよ」というドクターの言葉を今でも覚えています。

もしもこれがドラマならめでたしめでたし、で終わっているところでしょうが、実は私と心療内科とのおつきあいはそこで終わりではありませんでした。

出産後5~6年たってから不安障害が再発したのです。この時からは別の心療内科に通院するようになりました。新たにカウンセリングも受けました。

そして今に至るまで症状に波はありますが、再発を何度か繰り返してきました。ここでひとつ誤解のないようにお願いしたいのは、不安障害やパニック症候群は完治可能な病気だということです。

ただ、他の病気同様なりやすいタイプの人がおり、その場合どうしても再発しやすいのです。私はそういうタイプだったということですが、「仕方ない。仲良くおつきあいしていこう」と腹を決めたらそう辛くはなくなったような気がします。

どんなに嫌でもその病気は自分のもとを訪れて来たのです。その事実を受け入れ自分の弱さを認めることが自分を楽にする最良の方法だと知ったのは、随分時間が経ってからでした。

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