女性特有の薄毛・抜け毛の原因を「ヘアサイクル」から考える

 
薄毛や抜け毛は男女ともに起こることですが、薄毛のタイプには違いがあります。男性特有の薄毛に対し女性にも女性ならではの薄毛の特徴があるのです。

例えば女性の場合、ヘアサイクルの乱れにより髪の成長期に問題が起こることで毛髪は十分に成長しなくなり、やせ細ってしまいます。また、ハリが失われ、地肌が目立つようになります。

女性のヘアサイクルの乱れは主にホルモンバランスの崩れなどが大きく影響します。
薄毛や抜け毛を改善するために、この「ヘアサイクル」について、注目してみませんか？

髪の生え変わりのサイクル

髪は1日に平均0.3～0.5mm伸びると言われています。1カ月で約1.2cm伸び、1年では約15cm伸びる計算になります。髪は永遠に同じ毛が伸び続けるのではなく、一定期間で自然に抜け、新しい髪の毛が生えてきます。こういったサイクルを繰り返し、1本の髪の毛が成長し抜け落ちる周期のことを「ヘアサイクル（毛周期）」といいます。女性の場合は平均すると約4年～6年の周期で、これが繰り返されています。

髪が生え、抜け落ちるまでの4年～6年のうち、ほとんどの期間は毛母細胞が分裂をしながら髪の毛が伸びる「成長期」にあたり、この成長期が長いほど良いとされ、髪が長く太く成長すると言われています。

 
1.「成長期」毛髪が生まれ成長する
2.「退行期」成長が止まり脱毛準備に入る（約2～3週間）
3.「休止期」毛髪が抜けて毛根が休みに入る（数ヶ月）

 
「休止期（数ヶ月）に入った頃、毛穴の奥で新しく成長を始めた髪が古い毛を押し出すことで自然に抜け、新しい毛髪に変わります。
毛髪1本1本にヘアサイクルがあり、抜け落ちる時期はそれぞれ異なります。そのため、一気に異常なほどの抜け毛が起こることは、自然な状態ではまずありません。

※日本人の場合、毛髪は平均で約10万本生えていて、ヘアサイクルから考えると1日50～100本程度は自然に抜けていることになります。成長した毛が抜けるのは普通のことなので気にすることはありません。

毛母細胞とは？

1本の髪は頭皮から生えている「毛幹」と頭皮の中に生えている「毛根」とで成り立っています。普段洗髪したりブラッシングなどお手入れしているのは「毛幹」の方になります。

髪の毛の成長に関係しているのは「毛根」の付け根にあたる「毛球」と呼ばれる「毛根の先の膨らみ」です。
「毛球」には「毛乳頭」というものがあり、「毛母細胞」に髪の成長の促進や休止の指令を出したりしヘアサイクルを調整したりしています。髪の成長を促進する指示が出ると毛母細胞が分裂をし毛髪となり、毛根を押し上げ成長します。
「毛根」は胎児のときに作られており、その数は生まれてから基本的には一生変わりません。

どの程度の抜け毛だと薄毛の危険信号？

毎日約100本程度までの抜け毛なら心配はないのですが、ブラッシングや洗髪などで異様に抜ける毛があったり、抜けた毛が短かったりする場合は要注意です。
短く細い毛の場合、薄毛になりかけている可能性がかなり高くなります。加齢がプラスされた抜け毛の場合は全体的に薄毛になってきますが、男性と女性では若干異なることが最近では分かってきています。

女性の薄毛の特徴

女性の場合、出産や女性ホルモンのバランスの変化などで薄毛や抜け毛を起こすことがあります。
若年性脱毛症の可能性もあり、場合によっては医師に相談することが必要な症状の方も実際にはたくさんおられます。

個人差はありますが、一般的に女性の髪は40代くらいから細くなってきます。最も太さをキープできるのは30代後半で、その後年齢とともにハリ・コシもなくなっていき、少しずつ細くなっていきます。髪の本数も30代頃から少しずつ減っていきます。

50歳を過ぎる頃には、深刻な悩みの中に薄毛を挙げる女性がぐっと増えてきます。女性の薄毛の場合は頭部の広範囲の髪が細く薄くなるため、髪の分け目が目立ってしまうのが難点。髪のボリュームが少なくなるとどうしても老けて見えてしまうので、女性にとってはやはり気になるところです。
50代以降ではさらに成長期の毛髪が減って休止期の毛髪が増えるという現象が起こり、抜け毛が増えて髪の本数が減り、薄毛になってしまいます。成長期の毛髪の伸びる速度が遅くなることもあると言われています。

 
上記は本来40代～50代以降になって現れる、つまりは加齢が原因となって起こる現象だったのですが、現在では若い女性の間でも増えてきています。

ご自身で抜け毛の異常を感じたら、洗髪の仕方を変えてみたりシャンプーなどのヘアケア製品を変えてみたりしてください。それでも改善されない場合は医師に相談することをお勧めします。

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