ヨガとうつ。ヨガはうつ病治療にも取り入れられている
ヨガには様々な効果があると言われています。
一般的なスポーツと違い、身体だけでなく、心の状態も改善していくのがヨガです。
ヨガを始める時、少しエクササイズができたらいいなと思って始める人も多いのですが、続けてみてエクササイズだけじゃない深みを感じる人も多いようです。
ヨガを初めて精神的に安定してきたという人や、うつぎみだったけれどもその症状が改善したという声もあちらこちらで聞きます。
特にうつは、現代のストレス社会の中でどんどん増えていて患者は100万人を超えているといわれていて社会問題化しています。
病気と診断されていなくても、うつ症状に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はヨガの効果のなかで、うつ病の改善効果、予防効果についてご紹介します。
うつがきっかけでヨガを始める人もいます
うつになってしまい、家から出られなくなってしまった人が、リハビリを兼ねて少し運動をしたいと考えた時に、ヨガを選ぶ人が多いようです。
なぜヨガかというと、様々なポーズがあり、体力的に弱ってしまっている状態からでも、無理なくゆっくり自分のペースで始められるからです。
また、ヨガは心の部分も学ぶため、レッスンをしている先生方も、うつなど心の病気に対してある程度理解を示してくれる場合が多く、本人があまりプレッシャーを感じずにヨガができることも、うつ病の人たちがリハビリとしてヨガを選ぶ理由のひとつではないでしょうか。
実際に、知人でもうつ病でほとんど動けない状態からヨガを初め、長年続けていくうちに、教える立場になったという人がいます。
できることだけ少しずつ、レッスンに参加していくうちに体力が回復していったそうです。
「うつ」とは?
では、そもそもうつとはどのような状態のことを言うのでしょうか。
過度なストレスが継続してかかることによって脳機能に障害がおき、眠れない、食欲がないなど様々な問題が起きる状態がうつです。
また、疲れやすくなったり、頭痛がおきたりと身体にもさまざまな異常が発生して、動けなくなったりするため、自分自身がだめな人間なのではないかと思ってしまい、さらに気持ちが落ち込んでしまうという悪循環にはまりやすいのがうつ病の特徴でもあります。
何事にもまじめに取り組む人、がんばり屋さん、完璧主義の人などがかかりやすく、動けないことでさらに自分を責めてしって深刻になりやすいです。
また、不規則な生活をしている人もうつになりやすいと言われています。
ヨガでリラックスできる理由
ヨガのどのような部分がうつに効果を発揮するのでしょうか。
様々な要素がありますが、一番の大きな点は、リラックスすることができるようになるという点ではないでしょうか。
ヨガは緊張と弛緩(ゆるむ)を意図的に繰り返し行います。
そのため、リラックスした状態とそうでない状態が認識できるようになります。
うつ状態の人は、常にストレスにさらされた状態にあるためにリラックスすることが苦手になってしまっている人が多いです。
そのような人がヨガをすることで、少しずつリラックスすることができるようになります。
たとえば、ヨガではシャバアーサナというポーズがあります。
仰向けになって寝て、身体のあらゆる力を抜くというポーズです。
うつの人や、日々忙しくして緊張にさらされている人はこのポーズが苦手で、30秒保っているだけで辛いという人も多くいます。
そのような状態から、慣れていくと5分、10分、それ以上と徐々に長くリラックスすることができるようになります。
リラックスの重要性
リラックスすることは人間の体を正常に保つためにはとても大切なことです。
普段私たちが、活発に動いている時間は交感神経が優位に働いています。
それが、寝ている時やリラックスしている時はオフになり、その代わりに副交感神経が活発になります。
この副交感神経が働いている間に身体の様々な機能のバランスを調整していると言われています。
交感神経と副交感神経がそれぞれ適切なタイミングでオンオフになることで正常な身体の機能を保つことができます。
リラックスができないと、常に交感神経がオンになってしまうため、身体の調子が悪くなったり、寝れなくなったりします。
ヨガをしていくことで、この交感神経と副交感神経のバランスが結果的によくなってうつ病が改善したり、予防に繋がったりするようです。
また、ヨガの呼吸法もうつの予防や改善に効果があるといわれています。
呼吸と心はリンクしていると言われていて、ストレス状態にあると呼吸が浅くなると言われています。
しかし、呼吸が浅くなっていることに気付いていない人がほとんどです。
ヨガで呼吸を見つめていくことで呼吸が浅かったということを発見し、最終的に深く呼吸ができるようになります。
その他にも血流が改善したり、姿勢が良くなったり、フィジカル面から改善していくことで気持ちに変化が出てくるという場合も多くあるようです。
ゆっくりゆっくりやっていきましょう
いずれにしても大切なことは、無理に治そうとしないことです。
ゆっくり、趣味の感覚で無理をせずできるところだけ楽しんで参加しましょう。
できないことを責めない、完璧にしようとしない、周りの人にあわせようとしないことが大切です。
ゆっくり、自分の身体を見つめながらヨガをやっていくことで変化が現れます。
うつは悪いことで治したいという気持ちが強くなるかもしれませんが、深いところで見ると身体は完璧に動いてくれています。
まずは、そのことに気付いて自分の身体がどう動いているのかを知ることがスタートです。
うつ病でヨガを始めたいと思っている人は、まずはゆっくり休んでください。
そこから、少し動きたいという気持ちが出てきた時に、すごくゆっくりしたペースからヨガを始めてみてはいかがでしょうか。