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侘び寂びを纏う和の香り~美意識が漂う資生堂の香水&ゲラン「ミツコ」



日本の文化
 
「和」とは、近代化され欧米化してゆく中で「日本の昔からの文化や建造物、作法」等を一つのカテゴリーとして分類されているものです。


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つまりは、他国の文化をまったく受け入れずに来ていたら「和」という言葉は存在しなかったかもしれませんね。和とは、今では日本人として自国意識をもてる大切な言葉だと筆者は考えております。

 

侘び寂びを感じる白檀の香り

さて、その和の香り。実際にどんなものがあるのでしょうか。実際に室町、鎌倉、明治時代の匂いがあるわけではないですよね。前提としては日本古来の「侘び寂び」を感じられるような香りだと思います。

お寺や神社のような香りと言われている「白檀」の香りがあります。穏やかで優しく、心が安らかになる香りです。昔は「薫きつめる」と言って着物等に香りをしみこませる際に用いられた香りのようです。筆者のイメージとしては古い神社の中に入り、シンと静まりかえった長い廊下を歩いているような感覚があります。

この香りはお線香の匂いに似ていると言われていますが、実際のお線香にはよほど高価なものでない限り白檀は使用されていないようです。

サンダルウッドとしても知られる香りはいわゆるオリエンタル系として様々な香水に調合されていますが、特にこの香りが強調されているものでシャネルの「アンテウス」、ゲランの「シャリマー」、資生堂の「禅」があります。

 

和の奥深さを感じる資生堂の香水

和の香りを語る際、この「資生堂」の香水は大変貴重な存在です。シャネル等の海外メーカーはいわば外人の調香師が和をイメージしたり、結果的に和の香りになっていたりするのですが、資生堂は同じ「侘び寂び」の意識を持った日本の方が調香しているわけです。より和の奥深さを感じることができますね。

「すずろ」「むらさき」「琴」「沙棗」等、商品名やデザインにも和を意識したものが多く作られてきました。どの香りも、日本人としての美意識を呼び戻してくれる香りです。和服をお召しになる際は香りとともに和を愉しんではいかがでしょうか。

 

海外生まれの和の香りゲランの「ミツコ」

そんな和の香りを限りなく「本物」に近づけ再現した”海外の調香師”がいます。その調香師が生み出した香水、ご存知な方も多いでしょうがゲランの「ミツコ」です。

1919年の販売から現在に至るまで、世界的にも、そして日本でも非常に人気の高い名香と呼ばれる1つであります。3代目の調香師ジャック・ゲランの調香の元、ベルガモット、ローズ、ジャスミン、オークモス、ベチパー等が可憐に融合されています。日本人であればどこかで嗅いあことのあるような感覚を呼び起こす素晴らしい作品だと思います。

 

ゲランの「ミツコ」が生まれた背景

一説にはフランスの小説に登場する日本人女性のヒロイン「ミツコ」をイメージされたとありますが、他説には実在の日本人にジャック・ゲランが感銘を受け作られたとも考えられているようです。「グーテンホーフ光子(青山光子)」という女性。オーストリア・ハンガリーを代表する貴族に嫁いだこの女性は、日本人の伯爵夫人として当時のヨーロッパ社交界の花形的な存在であったようです。控えめで奥ゆかしく、その反面情熱的な彼女は神秘的な存在でヨーロッパの男性を魅了したようです。

ジャック・ゲランもこの女性と面識があったのでは?と考えられているようです。ヨーロッパ人の中で神秘的に映ったミツコさんは、まさしく「和」だったのではないかと、香りを嗅いで物思いにふけます。世界に通じる日本人女性。筆者も日本人として和の心を忘れずにいたいものだと考えさせられます。

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この記事は当ブログのライター「quail eggs」が書きました。

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