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禁断の香り~イヴサンローランから発表された香水「OPIUM」



さて、ここにきて少々怪しいタイトルですがまさしく「禁断の香り」と称された香水についてお伝えします。

 
香水を嗅ぐ女の子

1977年イヴサンローランから発表された「OPIUM」という香水は、世界に衝撃を与えました。オピウムとはつまり「阿片」の意。学校でアヘン戦争という言葉を習いましたね。


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イギリスとの貿易で中国に持ち込まれた阿片はその中毒性(立派な麻薬です)から次々に庶民の生活に浸透してゆきました。
その香りにどっぷりと浸かり禁断症状から身体的依存が起き、日常生活を脅かすものとなります。このような歴史から、中国では未だに麻薬に関しては厳しく罪をもうけ取り締まっています。

 

衝撃を与えたオピウムの発売

この香水が発表された際、中国側から猛烈な批判、アメリカでは反社会的だとして当初は販売を許可しませんでした。当時のCMを動画サイトで見ることができます。

「アジアの商店街の中を鬼気迫った表情で何かを探し歩く女性。やっと見つけ出した店で大金を出し、怪しげな男性から代わりに受け取ったもの、それこそオピウムの香水。すぐさま身につけ陶酔する女性。」

こんな放送ぎりぎりのCMなもんですから、批判を得ても仕方がないですよね。

 

サンローランがオピウムを生み出した背景

サンローランはパリのオートクチュールでセンセーショナルなデザインを発表し「ディオールの後継者」「美の神に祝福された人」と言われ今日のイヴサンローランという偉大なブランドを構築した偉人です。ファッションだけでなく広告にもそのセンスは絶大に発揮されていました。

サンローランは東洋の神秘的な美しさを愛し、この禁断の香水を生み出したのです。当時、評価を得る度に変わりゆく自分の環境と、巨大なプレッシャーにより、自ら麻薬に手を染めていたとも語っています。

筆者は、そんなサンローランの魅力に大変惹かれています。この香りを嗅ぐことで、少しでもサンローランに近づき彼の愛したものを感じたいと思うほどです。言うまでもなく、このオピウムは名香として現在でも多くの人々に愛されています。まさに私たちはサンローランが仕掛けたオピウムという名の香水に依存してしまっているようです。

 

ディオールが作り出した「毒」

これと良く似たコンセプトでディオールの「POISON」という香水があります。直訳すると「毒」。あらまぁ、これまた際どい名称をお付けになられてますね。こちらも中毒になるような香りをコンセプトに作られています。
白雪姫に出てくる毒リンゴをイメージしたかのような形状、滅紫色の怪しげなボトル。毒を口に入れたかのごとく、嗅いだ瞬間は今までにない独特の衝撃が走ります。怪しく甘く、官能的。それでありながら心を落ち着かせる深みがあります。この香りを嗅いだ男性はイチコロになってしまいそうですね。

この香りは人気の高さからシリーズ展開されており、また違った表情を見せてくれます。「ピュアプワゾン」「ヒプノティックプワゾン」「ミッドナイトプワゾン」中でも「タンドゥルプワゾン」は愛用者が多いようです。こちらは「あれ?毒はどこにいってしまったの?」というくらいスィートでフローラル。万人に好かれる香りです。残念なことに廃盤となってしまったようですが、オークション等でまだまだ見かけます。是非一度お試しになっていただきたい一つであります。

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この記事は当ブログのライター「quail eggs」が書きました。

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