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シリアスな問題…美容整形で欠損部位はどこまで修正可能?



美容外科と形成外科。
これらの病院が行う治療は非常に似通っており、混同されがちですね。また、形成外科と美容外科が併設されている病院もあり、ますます同じものである、という誤解を招いてしまう場合もあるのではないでしょうか?

 

美容整形

 

両者の診察・治療・手術には、大きな違いがあるんです。

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顔の一部を欠損した場合に選択するのは美容外科?形成外科?

たとえば、何らかの事故により、顔の一部を欠損してしまったとしましょう。そんなとき、あなたなら美容外科と形成外科のどちらを選択すべきだと考えますか?
正解は、形成外科です。

 

それでは、美容外科と形成外科の違いをご説明しつつ、先天性の病気や交通事故などにより、顔に欠損が起こっている場合を例に挙げてご説明します。

 

 

形成外科では美容の観点からの施術は行わない

まず、形成外科がすべきことは、美容的な観点からでなく、生活に支障をきたさないレベルにまで、欠損部分の修復を行うということです。
たとえば、交通事故で鼻を欠損してしまったとしたら、形成外科がいち早く行うべき治療や手術は、呼吸のための軌道の確保ですね。
これには手術が必要となりますが、多くの形成外科では、手術の前後に「レントゲン」、「CT」を使い確認を行うほか、超音波検査とともに手術が行われることが多いようです。

 

次に形状の修復ですが、欠損部分が大きな場合には、自骨(患者本人から採取した骨)や人工骨を用いて、もともとの形状に近い状態に修正を行います。
この場合、自骨を用いる場合には「頭蓋骨」、「腰骨」、「肋骨」の一部を採取することが一般的であり、患者本人の身体の一部を移植するため、修復後は、より早く安全な安定を望むことができますね。
しかしながら、採取した部位に傷跡や変形が残ってしまうという欠点を持っています。
特に「頭蓋骨」から採取を行った場合には、脳を保護する目的で「チタン」を始めとする金属による閉鎖を行う必要がありますので、直接的、間接的に大きな手術になることは避けられないでしょう。

 

 

人工骨の種類と術後の安定性

一方、人工骨にはどのような種類があり、修復後の安定はどうなのでしょうか?
人工骨には「樹脂製」、「水酸化アパタイト製」が使用されます。
まず「樹脂製」の人工骨は、手術を行う際に、手術室にて樹脂を軟化させ、欠損部分の修復を行います。「樹脂製」のメリットは、簡単に欠損部分を修復できるということにありますが、患者本人の身体が樹脂を「異物」である、と判断した場合には、経年とともに「異物拒絶反応」として体外へ露出してしまうことがあります。

 

それから「水酸化アパタイト」の人工骨ですね。これは、「水酸化アパタイト」を人工的に合成・加工して作られており、人間の骨に最も近い成分であることから、「樹脂製」などと比較した場合、「異物拒絶反応」などのアレルギー症状は起こりにくいと考えられています。
また、「水酸化アパタイト」の人工骨の場合には「セラミックス(陶器)」であるため、あらかじめもとの形状をコンピューターにより計算し、特注品として事前に用意する場合が多いようです。
この場合には、完全とはいきませんが、かなり以前の状態に近づけることが可能なのだそうです。

 

 

美容外科の考え方

形成外科の治療や手術が、生活に支障をきたさないレベルに修復することをおもな目的としているのに対し、美容外科に於いては、修復ではなく、おもに修正が行われています。
つまり、修正したい部分が正常に機能している場合であっても、美容上の都合により、治療や手術が行われる、ということですね。

たとえば、鼻の手術であれば、もともとの形への修復を行うということではなく、形の修正を行うということ。
たとえば、「もっと鼻を高くしたい」、「横に広がっているように見える鼻を小さく見せたい」など、美容を目的とした治療や手術が行われていることがわかります。

 

 

美容外科と形成外科が併設されているときは?

そして、ややこしいのが美容外科と形成外科が併設されている場合でしょう。
この場合には、形成外科によりなにがしかの手術を行い、傷痕が残ってしまったとしましょう。そこからが、美容外科の出番である、ということなんです。
形成外科が「とりあえず、修復のための手術」を行い、次に「傷痕を薄くするための施術や手術」が行われる、つまり、美容上の「見た目」を修正するのが、美容外科の役目であるということです。

 

少々専門的な内容となりましたが、美容外科、そして形成外科の違いをご理解頂けたのではないかと思います。
順番としては、1番目に形成外科、2番目に美容外科というご説明が、もっとも適当ではないかと思われます。

また、美容外科や形成外科であっても、程度によっては100%の修正や修復は難しいということも、知っておいて下さいね。

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この記事は当ブログのライター「山田美羽」が書きました。

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