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初心者のための香水講座 第3回:「ノート」と香りの持続時間



香水

 

スミレの花の咲く頃に人と会い、黒百合のような情熱が湧いて、白菊の向こうに片割れの月を見て……。花は人生に欠かせませんね。
言うまでもなく、香水は花が原点になっています。
花をイメージした香水には次のようなものがあります。
[レブロン]の〈ローズ・ド・メ〉バラの香りの香水
[キャロン]の〈ナルシス・ノアール〉水仙の香りの香水
[ゲラン]の〈ジャルダン・バガテール〉庭園に咲き乱れる多くの花をイメージした香り


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宝石と香水

古今東西、人は宝石に魅了されてきました。ある時は、権力や富の象徴となりました。しかし、そうしたことは野暮でしょう。純粋に、宝石の美しさに魅了されるべきなのです。
指や腕、胸元に宝石を付けてドレスを着る。あなた自身の美しさが、よりいっそう引き立ち、あなたの自信を深めるのです。
香水は香りの宝石と言われます。いや、逆ですね。宝石は見える香水なのです。
宝石をイメージした香水には次のようなものがあります。

 

[シャネル]の〈クリスタル〉。水晶という名前のとおり、透明感のある香りです。
[バルマン]の〈イヴォアール〉。象牙のシックな色合いを感じさせる香りです。
[ゲラン]の〈パリュール〉。この香水で[ゲラン]は見えない宝飾を提案しています。

 

 

香水の保存方法・便利な使い方

香水は、どのくらいもつのでしょうか。
ボトルがきれいだから、使わないで飾っておきたい。製造中止になるので、買いためしておきたい。こういうふうに思う場合もあるかもしれません。

 
でも、香水には寿命があります。ほぼ3年、長くても5年くらいの寿命なのです。買ったら、できるだけ早く開封して、できるだけ早く使い切るのがコツです。
長く置いておくと、色が濃くなったりして、最後には香料が分離してしまいます。こうなったら、その香水本来の香りは失われてしまうのです。

 
香水は、日光が直接当たらない涼しい場所に保存しておきましょう。室温15度以下の冷暗所が理想です。
それでは、香水をラップし、移り香しないように密封容器に入れて、冷蔵庫に入れたらどうか、と聞かれたことがあります。さすがに、それはやりすぎじゃないですか。

 

アトマイザーへ

香水のボトルは美術品として完成されたものです。ドレッサーに置いておくだけでも、立派なアートになります。
しかし、ボトルごと持ち歩くのは、お勧めできません。やはりアトマイザー、つまりスプレー付きの携帯容器に移すのがお勧めです。

 
アトマイザーも、センスのよい製品がたくさんあります。自分の好みのものを選ぶ、あるいは、香水ごとにアトマイザーを使い分ける、などおしゃれに使いましょう。

 
アトマイザーへの移し替えは、スポイトやピペットを使うと便利です。
なお、このときスポイトやピペットに水がついていたりすると、香水が濁ってしまいます。必ず、局方エタノール(エチルアルコール)で洗浄してから使いましょう。
もちろん、アトマイザー自体も、前に使っていた香水の香りを消すために、局方エタノールで洗浄します。

 

残った香水は?

残ってしまった古い香水、あるいは気に入らなくて使わないままの香水は、生活の中に取り入れて楽しみましょう。なお、香り自体が傷んでしまったものは、悪臭になりかねませんから、これは使えません。

 
ティッシュペーパーやコットンに含ませて、タオルやシーツなどの収納場所へ入れます。あくまでもタオルやシーツだけです。他の衣類へ移り香する引き出しなどは避けましょう。

 
カーテンの端に用いるのも、よいアイデアです。部屋のさわやかな芳香剤となります。ただ、ほんの少量にしておきましょう。部屋中に香りが充満するのでは、さわやかどころか、疲労してしまいます。

 

 

香りをよく知って・時間によって立つ匂い

香水は、時間とともに、立つ匂いが変わります。時の流れとともに、香りのドラマチックなストーリーが展開するのです。
この時間の経過で変化する状態を、次のような3つの段階に分けています。
トップノート
ミドルノート
ラストノート

 

トップノート

香水のキャップを開けた瞬間の香りです。その香水の第一印象なのです。この香りは、5分から10分ほど続きます。
人間を第一印象で選ぶとどうなるか。第一印象そのままの人もいれば、第一印象とは全然違う人もいます。
香水も同じですね。第一印象だけで、軽率に買うのは危険です。

 

ミドルノート

トップノートの後に、3時間から4時間ほど続く香りです。その香水の中心部分なのです。
ですから、香水は、中心となるシーンの30分ほど前につけるようにしましょう。トップノートが消えて、ミドルノートの香りが肌になじむには、30分ほどの時間が必要となります。

 

ラストノート

いわゆる「残り香」です。半日から3日ほど続く香りです。身につけた香水が肌になじみ、そのまま続く香りです。香水を選ぶときは、ラストノートまで、しっかりと確認しましょう。

 
最近では、トップノートからラストノートまで、香りがほとんど変化しない香水も出来ています。
また、1週間以上も香りが続く、ロングラスティングの製品も現れています。
どういう香水をどういうふうに使うか。あなたのセンスをフルに発揮して、個性、場所、状況に合う香水を選びましょう。

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