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室戸ジオパークの歩き方・おすすめポイント



「まるごと、さんかくジオパーク」がキャッチコピーの室戸ジオパーク。
高知県の東南に位置する、まさに三角の形に太平洋へ突き出た半島だ。

 

ジオパーク

 

2009年に世界認定された、洞爺湖有珠山、糸魚川、山陰海岸、島原半島のジオパークに次いで、2011年、日本で5番目に『世界認定』された日本が誇るジオパークの1つ。

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実はスゴイ、大陸移動説が陸上で初めて照明された土地、室戸ジオパーク

2013年9月の隠岐ジオパーク世界認定の際に、先に世界認定されていた他のジオは、『再認定』を受けた中、室戸ジオはそのリストには入らなかったのが残念。
しかし、世界ジオパークの中でも、最も地質の調査や研究が行われた場所で、陸上では初めて「大陸移動説」を証明した地でもある。また、地質遺産だけでなく、国の天然記念物に指定されている珍しい亜熱帯性植物などもあるので日本だけでなく世界各国の地質学者や研究員たちが訪れている。
室戸ジオパークは、市役所が管理する公式サイトや情報公開も充実しており、市をあげて観光客誘致に力を入れているのもジオファンとしては嬉しい限りだ。

 

 

室戸ジオパークの魅力をお遍路の旅の思い出とともにご紹介

ジオパークとされている室戸岬の先端には、四国八十八ヵ所霊場、24番最御崎寺(ほつみさきじ)がある。実は、四国八十八ヵ所お遍路の旅をした経験があり、この地はお遍路の真髄や過酷さが本性を現し始めた場所だった。
そのため、この室戸ジオパークは個人的に思い入れのあるジオなのだ。

 

高知県は1つ1つのお寺が遠く、右手には山、左には海という景色がずっと続く道で、一見、申し分の無いすばらしい景色ではあるが、何日も続くとやや飽きてくるので、煩悩が浮かんでくる。
そんな時に、奇岩や断層、地層を発見すると、大変テンションが上がり、気分転換にもなるのだ。
また、室戸岬サイトの見所の1つである、神明窟(しんめいくつ)は空海が悟りを開いた場所であり、お遍路さんたちにとっても感慨深い、重要な場所ともなっている。
そのため、パワースポットとしての観点からも人気のジオパークだ。

 

 

室戸市全体が室戸ジオパーク

室戸ジオパークの指定範囲は広く、室戸市全体が範囲となっている。
そのため海岸サイト、室戸岬サイトだけでなく、吉良川まちなみサイトとして文化遺産も見られるのが魅力。さらに、ホエールウォッチングやイルカのセラピー体験や海洋深層水を利用した健康施設などもあり、子供、カップル、シニアの幅広年齢層が楽しめる。

また、近年、ニュースにもなっている「捕鯨漁問題」を考えるのも室戸ジオパークの一部だ。
日本では伝統的な漁業として、成り立ってきた背景などがある。日本人としてどのようにこの問題を捉えるかを考えずにはいられない。室戸ジオパークは、自然、文化、歴史、そして「今」を見せてくれる貴重なジオだ。

 

道の駅と捕鯨資料館があるキラメッセ室戸

室戸ジオパークの拠点ともなっているキラメッセ室戸は、道の駅と補鯨資料館が併設されている。
室戸ジオパークの最新情報やイベントはもちろん、解説や資料なども展示されているので、まずは訪れたい。「室戸ジオパーク・ギャラリー」として、2014年4月にオープン。大迫力の海底地形図で室戸ジオパークの全貌と成り立ちを知って、予備知識を備えてから現場に出発すると感動が倍増する。

1Fは室戸の鯨文化のコーナーで資料や道具などが展示解説されている。また、補鯨についてだけでなく、いかに鯨によって発展を遂げたか、そして命の尊さについて解説されている。近年、問題になっている補鯨。鯨を食べないからといって決して人事ではない。日本人として是非、行っておきたい資料館だ。

また、施設内にはレストランと産地直売所があり、レストランでは郷土料理や特産品が食べられる。窓際の席からは海を見渡すことができ、景色にも料理にも大満足できる。

 

 

道の駅とろむ

イルカに会える道の駅とろむ。室戸ジオパークの魅力は、奇岩や海岸、地層など大地の成り立ちだけでなく、イルカや鯨など生き物もジオの1つであることだ。
その土地に生殖する生き物との触れ合いもジオの大切な資源となっている。

キラメッセ室戸を越えて55号線沿いにさらに室戸岬へと目指していく。
ごめんなはり線、奈半利駅からは、バスに乗って約1時間半。道の駅とろむ内に併設されている「室戸ドルフィンセンター」では、イルカと本格的に触れ合うことができる。
もはや、道の駅とは思えない飼育環境と体験プログラムが用意されており、まるで水族館のようだ。

 

ドルフィンスイムでイルカに触れてみよう!

人気の体験プログラムは、ウェットスーツを着てイルカと一緒に泳ぐ「ドルフィンスイム」。プログラムによって料金が異なり、イルカに近づけば近づくほど料金は高くなる。正直、あまり生き物が得意ではないので、つかず離れず、なところで「ドルフィンタッチ」に挑戦。
ちなみに、お値段は約10分で大人735円。

 

名勝地、室戸岬

室戸ジオパークの一番先端、三角の部分にある室戸岬。このエリアには40ヶ所もの奇岩や地形など見所がある。
また、室戸岬には日本で最も遠くの海まで照らすことができるライトを持つ、室戸岬灯台があり、そこからの景色はまさに絶景。何もさえぎるものがなく、太平洋を望むことができ、水平線が丸く円を描いているのがわかる。地球が丸いということを実感できるスポットなのでお勧め。

 

 

タービダイト層

タービダイト層は地震や津波、海底噴火で、泥や砂の層がひっくり返ったり、回転などをしてできる現象。室戸岬の名物の1つだ。基本的に奇岩には名前が付けられているのだが、なぜかタービダイト層とそのままなのが寂しい。

 

 

スランプ構造とヤッコカンザシ

「流動性」を意味するスランプ構造の地層。室戸半島は変動を繰り返してできた地形のため、タービダイト層やスランプ構造のように、ぐんにゃり変形した珍しい地層が多いのが特徴。

 

 

天狗岩

地震や台風によって岩が削られたり、崩れて天狗のような形に見えることからその名が付いた奇岩である。しかし、山肌の草木が茂っている時は、天狗というよりも、アフロヘアの外国人のように見える。奇岩はそれらしく見えるスポットがあるので、それを探るのが楽しみでもある。

 

 

エボシ岩

地震や台風、波によって岩が浸食されできあがった奇岩。エボシ(鳥帽子)とは、平安時代、成人男性が正装をした際にかぶる帽子のこと。どちらかと言えば、ジョーズの背ビレといった感じだ。室戸ジオパークは奇岩のネーミングセンスがやや微妙なのも面白い。

 

 

吉良川のまちなみ

江戸時代には「土佐備長炭」として栄えた街で、高知県土佐の伝統的な街並みとして重要伝統的建造物群保存地区にもなっている。主屋、蔵、いしぐろ等の建物は再生され、カフェやアトリエ、ライブハウス、遍路宿として使われている。

 

 

佐喜浜俄(さきはまにわか)

高知県の無形民俗文化財にも指定されている、毎年秋に佐喜浜八幡宮で開催されるお祭り。

まずは、「暴れ獅子舞」が行われ、会場は一気に盛り上がる。そして、この祭りメインの出し物、「俄(にわか)」が始まる。俄とは、即興的に演じる滑稽な寸劇のことで、開催当日に役者は台本を渡される。素人とは思えない、爆笑のコントを披露してくれる奇祭の中の奇祭。

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カテゴリ: 温泉・旅行

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