市販の便秘薬はぜったいダメ!妊婦さんのための便秘対策
妊娠中の女性の4人に3人は便秘に苦しむといわれています。安易に薬を飲むこともできず、お腹の赤ちゃんが気になっていきむこともできないことが便秘解消を難しくしています。中には便秘がひどくなり、痔になってしまう人がいます。
そんな中でもどのように対策を打てば効果がでるのか、くわしく見ていきましょう。
なぜ妊娠中は便秘になりやすいの?
女性ホルモンの影響で女性は便秘になりやすいのですが、普段は便秘に悩まない女性でも妊娠中は便秘になる人が多くいます。妊娠中にどのような原因で便秘になるのでしょうか。
1.ホルモン変化により腸の動きが弱まる
妊娠をすると体は妊娠を継続しようとしてプロゲステロンというホルモンが分泌されます。
このホルモンは腸の動きを担う平滑筋を緩くする作用があり、腸の働きが制限されてしまいます。
2.つわりにより食べる量が減る
妊娠初期はつわりがありますが、これにより、食欲が減退してしまいます。食べる量が少なくなると胃に入るものが少なくなるため、便を作りにくくなってしまいます。
3.眠気により運動不足になる
妊娠初期より夜しっかり眠っても昼間から眠気を感じることが多くなります。これは眠りづわりとも呼ばれる初期症状のひとつです。これはプロゲステロンというホルモンが分泌するためなのですが、これにより寝ている時間が多くなるため、運動不足になりやすくなります。体をうごかさないと腸が動かなくなるだけでなく、腹筋の筋力が低下するので便秘になりやすいのです。
4.腸を圧迫する
安定期に入ると赤ちゃんが成長し子宮が大きくなることにより大腸を圧迫してきます。大腸が圧迫されると便の排出が遅延し、スムーズな動きがしにくくなります。
5.水分不足になる
妊娠後期になると成長した赤ちゃんが水分を欲するため、母体が自然と水分不足になります。水分不足は便が固くなる一番の原因なのです。
6.血流が悪くなる
赤ちゃんの成長により体重が増加することで血流が滞りがちです。さらに安定期以降は運動も控えなければならないので体を動かしづらくなり、血流が悪くなります。
便秘解消のために妊娠中日常で気をつけることは?
これは妊娠中だけではなく、便秘に悩む人にも共通して効果がありますが、中でも妊婦さんが特に気をつけたいポイントをご紹介します。
1.規則正しい生活をする
毎朝決まった時間に起き、決まった時間に食事をすることは腸の動きを整え、便秘を根本的に解決してくれます。出産ぎりぎりまで働く妊婦さんも多いかと思いますが、朝は出勤前に余裕を持って起床し、食事をきちんととりましょう。決まった時間にトイレに行くのも便意を促すために重要なポイントです。
2.食生活を見直す
つわりなどでなかなかしっかり食事をすることが難しい時期もありますが、無理のない範囲で食生活を見直してみましょう。できるだけ精製されていない食物をとることが産まれてくる赤ちゃんと母体を守るためにも有効です。お米、パンなど真っ白い色をしているものは精製されているものなので、例えばお米なら白米ではなく、雑穀米を主食にするなどするだけで、便秘に効果があります。
便秘解消に有効なおすすめの運動とは
妊娠中は運動も制限されてしまいますが、無理のない範囲で体を動かすようにしましょう。
おすすめの運動をいくつかご紹介しましょう。
1.ウォーキング
一番手軽なのはウォーキングです。アスファルトではなく、公園などにあるやわらかい土の上を歩くようにすると体の負担が少なくなります。スポーツジムで開催されている「マタニティビクス」に参加するのもおすすめです。体を動かせるだけでなく、専任のトレーナーが妊娠中の運動について有益なアドバイスをしてくれます。
2,水泳
水泳は唯一横ばいでできる運動です。体の負担が少ないので妊娠中に特におすすめです。日常の動作で鍛えにくい背筋を強くすることができます。妊娠後期には子宮が腸を圧迫し、腸が背中側へ移動してしまう現象が起きますが、水泳は背中側の腸にも刺激を与えてくれます。
3.ヨガ
体をじっくりとストレッチすると血流をよくし、排便を促す効果があります。激しい運動ではないので、妊婦さんでも気軽にできます。寝る前に行うと深い睡眠が得られ、ストレスも軽減できます。
妊娠中にやってはいけない3つのこと
妊娠中の便秘はひどくなる場合が多く、つらいもの。便秘のつらさを最小限に抑えるためにも妊娠中にやってはいけないことをあげてみました。
1.ひどくなるまで便秘を我慢しない
妊娠中の便秘はとにかく早め早めに対策をしないと、便秘だけでなく、痔や直腸瘤(ちょくちょうりゅう)も誘発します。便秘が辛い時は病院で下剤を処方してもらうのもひとつの方法です。
2.いきみすぎない
いきみすぎるとお腹の中の赤ちゃんを圧迫する危険があります。なるべくいきまないようにして便をやわらかくする対策を打つようにしましょう。
3.市販の薬を使わない
市販の薬には子宮を収縮させ、早流産になるといわれている成分が含まれている場合があるので避けた方が無難です。必ず病院で処方してもらいましょう。
妊娠中だけでなく出産後の便秘に悩まされることも多いので、なるべく早めに体に負担をかけない方策を打っていきましょう。