真皮層まで効果がある化粧品?エステ商品のウソホントと試してみた感想
まず結論から先に書いて謝っておきたいと思います。
本当に表皮の下の真皮層まで届く化粧品があるのかないのか、エステで使用されている機器によって真皮層までの成分の導入は可能なのか不可能なのか、 実はその正確な答えは私も持っておりません。
ただ、それはとても困難な技術である、ということだけははっきりとしています。
法律による制限
白黒がつけられない原因の一つとして、実は薬事法によって、化粧品や医薬部外品は「真皮層まで浸透する」という広告表現をすることが禁止されてことが挙げられます。
もしもインターネットなどで、堂々と「真皮層まで届く美容液」などというキャッチコピーを掲げている製品を眼にしたら、それは薬事法違反であり、薬事法も遵守できないメーカーや販売元の製品はかえって怪しいと警戒するべきです。
とくに敏感肌の人は化粧品や美容液も含めた外部からの刺激に弱いですから、少しでも怪しげな化粧品については、販売元を調べる、クチコミを確認してみるなど慎重に精査してから購入した方が無難でしょう。
肌の仕組み
話を真皮層まで浸透できる化粧品に戻したいと思います。
肌の一番外側は、死んだ細胞からなる角質層があり、その下に0.1mmほどの厚さの表皮層、更にその下に真皮層があります。
真皮層の70%ほどは網目状になったコラーゲンで出来ていて、エラスチンという別の繊維によって支えられながら、一緒に真皮の弾力、言い換えれば肌のハリを保っています。
それらの間にはゼリー状のヒアルロン酸があり、真皮層の水分を保っています。
肌が老化すると、このコラーゲンの弾力が失われたり、コラーゲンやヒアルロン酸量が減少してしまい、顔の表面にはシワやたるみとして現れます。
浸透させるのは無理?
それでは直接真皮層にコラーゲンやヒアルロン酸を補給したり、それらを活性化させる成分を届けましょう、という発想に至るのは自然ですが、その為には角質や表皮を通り抜けるレベルの細かい分子を送り込まなければならず、普通のコラーゲン入り化粧水をいくら顔にはたきこんでも、角質にまでしか届きません。
“実は日本の化粧品会社2社は真皮層まで導入できる美容液を開発できている”、“いや、顔の表面に塗って真皮層まで届く物質はない”、などなど、様々な説が飛び交っていますが、なにせ薬事法によってメーカー自身は正式にその効果を宣伝できないという枷がありますので、何が本当に正しいのか解りかねる、というのが残念ながら今の現状です。
エステの効果は本当か?
エステ業界にも、真皮層まで届くと言われる導入器が存在します。
よく見かけるものとして、LEDの赤色光線による導入と、肌に微弱電流を流すイオン導入があります。
LEDの赤色(=波長が長い)光線自体は、実際に肌の奥まで浸透する性能はある様です。
ただし、奥まで浸透することが分かっているのはあくまでも光線ですので、美容液を顔に塗布した上からLEDライトを当てるという施術については、そのことでなせ美容成分が真皮層まで浸透するのか、本当に浸透しているのか甚だ疑問です。
イオン導入については、微弱電流によって表皮層の細胞のバリア機能が弱まり、その間をついて美容成分を浸透させる、という説明がされており、有り得ない事ではないかもしれない、と個人的には考えています。
ちなみに、実際にエステでLED導入もイオン導入も経験したことがありますが、実際に表皮層まで美容成分が届いているのかどうかは不明ですが、その直後の肌のコンディションには、確かに効果が現れていました。