安心の国産精油でアロマテラピー。日本産精油の特徴は樹木系が多いこと
世の中に数多く存在する精油を製造する場所は世界各国に及びます。
植物によっては特定の地域でしか生育しないものがあるので当然のことといえますね。
お持ちの精油の原産地をチェックしてみてください
精油によって様々な国名が表記されていると思います。
ちなみに原産地が表記されていない精油は製造元の品質管理が厳しいとはいえず、場合によっては100%天然のものではなく化学物質が含まれた合成品である可能性があるので使用は避けた方が無難です。
話を戻しまして、人気のある精油も含めほとんどの精油は海外で生産されています。
では日本で生産された精油はないのか?と言われれば実はあります。
今回は国産の精油についてお話したいと思います。
1.主な精油の原産地
まずは人気どころの精油の原産地について見てみましょう。
以下に挙げたのは、アロマ専門店「生活の木」及び、「グリーンフラスコ」(いずれも日本のブランド)で取り扱っている精油の原産地です。
全体的にヨーロッパの国々で生産されているものが多いですね。
花
イランイラン・・・マダガスカル、フランスなど
葉と花
スウィート・マジョラム・・・エジプト、チュニジアなど
ゼラニウム・・・フランス、エジプトなど
ペパーミント・・・フランス、アメリカなど
ラベンダー・・・フランス、ブルガリアなど
果皮
オレンジ・スウィート・・・ブラジル、アメリカなど
グレープフルーツ・・・アルゼンチン、アメリカなど
ベルガモット・・・イタリア
レモン・・・イタリア
果実
ジュニパー・・・アルバニア、フランスなど
葉
ティートゥリー・・・オーストラリアなど
ユーカリ・・・スペインなど
2.日本の地形が大きく反映された国産精油
国産精油にはどんなものがあるのでしょうか。
木部
ヒノキ
杉
クスノキ
ヒバ
枝・葉
モミ
コウヤマキ
葉
月桃
果実
カヤ
果皮
柚子
かぼす
全草
ハッカ
日本産精油は樹木が多い
学生の頃、地理の授業でこんなことを学習しませんでしたか?
「日本は山地が国土のおよそ70%を占める」と。
東北地方のど真ん中を縦断している奥羽山地、北陸から東海地方までに渡る飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈(日本アルプス)、近畿地方南部を横断する紀伊山地、そして世界自然遺産に登録されている白神山地など、挙げだすとキリがないくらい日本のあちこちに大小問わず山地・山脈が存在します。
上に挙げた国産精油の原料となる植物はほとんどすべてが樹木であることがおわかりかと思います。
花から抽出される精油がなく、木部から抽出される精油が生産されているのも山地が多い日本ならではの特徴ですね。
ヒノキを例にお話します
たいてい品質を劣化させないために原料植物を収穫した農場の中で精油を生産するケースが多いように、樹木が原料だと製材所で精油を生産します。
有名なのは奈良県吉野町にある「喜多製材所」というところで製材業務と並行して、ヒノキ精油が生産されています。
日本では精油の生産工場が少ないため、国産の精油は全体的に値段が高価ですが、ヒノキは日本各地で生息していることもあり、国産精油の中では安価な方です。
ヒノキで建てられた家やヒノキ風呂というのが全国各地にあるので、日本人にとってヒノキは身近な木です。
また、日本の二十四節気の一つである冬至には柚子湯につかるという風習がありますよね。
海外産の精油を楽しむのも良いですが、自分たちの住んでいる国で作られている和の香りをぜひ楽しんでいただきたいと思います。