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エキゾチック系香料の代表格「ムスク(麝香)」ってどんな香り?



香水の分類
 
植物性香料に比べ、圧倒的に種類が少ないのが動物性香料です。
その中でも、動物性香料といえば真っ先に名前が上がる有名なものといえばやはりムスクではないでしょうか。


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人の心を魅了したムスクの香り

ムスクはセクシーな香りの代表格でややエキゾチックなイメージを持たれることが多いようです。
日本語では麝香と言い、文字通り、天然のムスクはオスのジャコウジカから得ることができます。
興奮作用や強心作用があるとされ、香料としてだけではなく、薬としても使われてきました。
その歴史は古く、有史以前から既に用いられていたと考えられています。

しかしその採集には犠牲が伴います。
ムスクはピンポン玉くらいの小さな少しゆがんだ玉の形をしていて、毛のようなもので覆われている形状です。
これはジャコウジカの香嚢を切り取り、乾燥させたもので、そこから香料や香水が作られていました。
香嚢を切り取るということで、そのためにはジャコウジカを殺さなくてはならず、これによりジャコウジカの数が激減する事態を招きました。

 

天然のムスクは入手困難な時代に

絶滅の危機に瀕したジャコウジカは保護対象となり、現在は商業のために国際取引することが禁じられています。
人間の身勝手といえばまさしくその通りで、人類に情状酌量の余地はありません。
ですが、それほどまでにムスクが人に求められていたのは、その香りが間違いなく人の心を捉えて離さなかったからと言えるでしょう。

ムスクは品質によってかなりの違いがありますが暖かく素肌そのもののような香りです。(ちなみに、実際に健康な若者からも香ると言われています。なるほど、やはり動物性のフェロモンの香りなのですね。)

現在では代用としてジャコウジカの代わりレイヨウなど他の動物から取られたものや合成香料が使われています。
天然のムスクが手の届かない存在になったとは言え、やはり香水を作り上げる上で欠かせない香りであることに代わりはありません。

 

官能的なオリエンタルノートに合うムスク

様々な香調に使われうる香料ですが、最もムスクがその魅力を発揮するのはオリエンタルノートではないでしょうか。動物性香料を多く使う香水は官能的な香りになり易く、オリエンタルノートもセクシーかつエキゾチックな香調の代名詞です。

ちなみに麝香の香りは身に纏う香水だけでなく食品に使われていたこともあります。
先にも述べたとおり、香り付け以外にも薬理作用を持ち、口にすると体がポッと熱くなったり、心臓の鼓動が早くなったりするとのこと。
アラビアンナイトには麝香の香りのシャーベットが登場します。
一体どんなものだったのか、想像するとワクワクしてしまいます。

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