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食養生(しょくようじょう)と、ヨガのアヒサム




 
「食養生」という言葉を聞いたことがありますか? 「食育」という言葉はどうでしょうか?
食べるということは、生きることです。
ただ、何を食べるか、どう食べるか。ヨガではとても大切に考えています。
今回は、「食養生」やヨガのアヒサムという考え方について詳しくご紹介していこうと思います。


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「食養生」とは

健康になるための食事を考えて、食事をしたり、時には抑えることをいいます。
ヨガでいう健康な身体とは、「体の中に良い気がしっかりと巡っている状態」です。
そのため、病気や肥満、痩せすぎという状態は、気が正しく巡っていない状態だと判断して良いと思います。

 

食養生で大切なもの

良い気を巡らせるために必要な物が、「食べ物」です。新鮮な野菜、玄米などです。それ以上に大切な物は「水」です。水は食べ物よりも体の中の気に影響が強いとされています。
さらに強いのは、「空気」、そして「太陽」、一番影響力が大きいのは「心」とされています。
これら5つが、食養生にとって大切なものです。
順番としては、心が土台になっており、その上に太陽、空気、水、そして食べ物です。この5つが、ピラミッドのようになっているとイメージしていただけると良いと思います。

 

太陽の大切さ

この5つの中でも、最も重要なキーワードになるのが「太陽」です。太陽をどうやって口にするの?と思うかもしれませんが、体を巡る気にはとても強く影響を与えています。
太陽のリズムに合わせて生活をする。日の昇っている間に活動し、日が沈めば体を休めるといった、規則正しい生活が大切です。そうすることにより、日光浴を行い、自然と体の中に太陽が入っていき、気の巡りを良くしてくれます。特に日の出の太陽のパワーは最高とされています。
元旦の初日の出を浴びると一年持続する気のパワーをもらえそうですね!
また、太陽の光を浴びて育った食べ物を食べることも大切です。
ヨガでは、こうした行為をまとめて「太陽食」とも呼んでいます。

最近ちょっとブームになっていた「干し野菜」ですが、これもとても良い「太陽食」です。自分で買ってきた野菜を、日の光にさらして、天日干しにすることで栄養価も増し、なにより太陽の光を体に吸収することができます。ほんの一手間ですが、ぜひ実践してみてくださいね。

 

丸ごと食べる

皮があると、日持ちする野菜も、皮を剥くとすぐにいたんでしまいますよね。皮の持つ力はとても偉大なのです。
皮付きで丸ごと食べることも「食養生」では大切なことです。より、そのまま全体を食べることを「一物全体食」と言います。
例えば、お米も精米された白米は発芽しませんが、玄米は水につけておくと発芽します。これだけ命の力に違いが出てくるんですね。

 

体が欲する物、味を与える

もしも体の声に耳を傾けたとき、「甘い物が食べたい」と言っていたらどうしますか? お菓子に手を出してしまいますよね。この時、お米を何度も噛むことで得られる甘みに置き換えてみてください。
甘味料の甘みは舌が喜ぶだけで、体の気の巡りを良くすることはありません。
目を閉じて、何度もお米を味わうことで得られる甘みに慣れると、人工の甘さが必要なくなりますよ。

 

アヒサム(非暴力)的な食事

インドの古典であるヴェーダ聖典にも、食事について書かれています。ここでも食養生につながる教えがあるので、見てみましょう。
ヴェーダ聖典では食べ物のことは、サンスクリット語で「アンナ」と呼ばれています。アンナとは植物という意味です。
つまりヨガの聖典においては、食べ物=植物なんですね。
かといって菜食主義=ヨガではありませんし、食養生であるとは言い切れません。
大切なことは「アヒサム」、非暴力であるということ。アヒサムとは、誰かを傷つけることを避ける丁寧な生き方のことです。

アヒサムの生き方を守ることは、自然の法則に従って生きるということです。これは、理想であり、ひとつのヨガのゴールだと考えられています。

アヒサムの考えを厳密に行っている人は、植物でも根を残し、命を残すようにしたりします。命のある物をできるだけ傷つけないという考え方に基づいて生きるスタイルは、とてもすばらしいと思っています。

 

本当の食養生とは

自分の体の中のエネルギー、気を良くしたいと望んで食生活を見直すことは、とても大切なことです。
けれど、それだけに捕らわれることなく、他者の痛みも分かる食事が何よりも大切だとヨガでは説いています。得ることと与えることのバランスを取ることで、気の巡りを良くすることで、悪い気の発散がなくなります。
例えば、たくさん食べてエネルギーは蓄えられていても、与えずに蓄積し続ければ、そのエネルギーを何とか発散したくなり、イライラして怒りとして消費することになるかもしれません。

食だけにかかわらず、衣食住に必要な物を最低限に留めて、自然や周りに最大限与えることができるようになることが、一番すてきな人としての生き方だと思います。

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この記事は当ブログのライター「りく」が書きました。

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