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エミューオイルと馬油。何が違う?どっちがいいの?



エミューオイル

 

美容に良いと言われているオイルはたくさんあります。

 
ホホバオイルにココナッツオイル、スクワランに、椿油に馬油。
果実から採れるもの、種子から採れるもの、動物やサメ由来のもの、原料は様々。

 
そんな数ある人気オイルの中に、『ヒトの皮脂成分にとても近い』といわれる2つのオイルがあります。
それが『エミューオイル』と『馬油』です。

 
では、この2つのオイルは似ているということでしょうか?
逆に、どんな違いがあるのでしょうか?

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“ヒトに近い”といわれるオイル

『エミューオイル』と『馬油』。
このどちらの紹介文を見ても、必ず目にするのが”ヒトの皮脂に近い”という言葉です。
これは”成分が似ている”という意味です。

 
皮脂は、毛穴にある『皮脂腺』で作られている脂質で、様々な脂肪酸が含まれています。
これが、毛穴を伝って皮膚の表面へと分泌され、汗などの水分と混ざる(乳化する)ことで出来るのが『皮脂膜』、別名『肌バリア』と呼ばれているものです。

 
皮脂膜は、わずか0.02mmという薄さですが、肌にとってとても重要な役割を担っています。

1)皮膚の中に蓄えられている水分の蒸発を防ぐ。
これが所謂、肌の保湿機能です。
乾燥肌の原因は、この機能の低下にあります。
2)ホコリや雑菌など、外的な異物からの皮膚を保護。
皮膚の表面を弱酸性に保つことで、カビや細菌の繁殖を防いでいます。

まさに、『バリア』というわけですね。

 
では、成分がヒトの皮脂に近いと何がいいのというと、この『肌バリア』に異物扱いされずに、表皮層の奥、角質層や真皮へと浸透することができ、皮膚本来の成分を無理なく補うことができるという点です。

 

 

エミューオイルと馬油の比較

エミューオイルと馬油を具体的に比較しています。

 

原料と歴史

『馬油』
名前の通り馬の脂が原料です。約4000年前の中国の騎馬民族が起源だと言われています。
日本では、約1300年前の奈良時代に伝えられたとされており、江戸時代に『ガマの油』という名前で傷薬として売られていたものが、実はこの馬油だったといわれています。

 
『エミューオイル』
オーストラリアの固有種である、走行鳥のエミューという鳥の皮下脂肪を抽出したものです。
エミューは8000万年前から生息している古代鳥で、そのエミューのオイルがオーストラリアの原住民族によって薬として利用されるようになったのは、約4万年前のことです。

 
オイルの歴史を比べると、馬油はまだまだ新しいということになりますね。

 

 

成分

『馬油』、『エミューオイル』共に

 
飽和脂肪酸である、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸
一価不飽和脂肪酸である、オレイン酸、パルミトレイン酸
多価不飽和脂肪酸の、リノール酸、リノレン酸

 
といった脂肪酸が主成分となっています。

 
『馬油』はこれに飽和脂肪酸で抗菌作用のあるラウリン酸が、『エミューオイル』には抗酸化作用のあるビタミンEが、それぞれ含まれます。

 
ここで、ヒトの皮脂に必要な脂肪酸の成分も確認しておきましょう!

 
ヒトの皮脂を構成している脂肪酸は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、と馬油やエミューオイルのものと全く同じ成分です。

 
これらがバランスよく備わっていることで、肌にハリ・ツヤを与え、老化防止にも繋がるのです。

 
しかし、ここで問題なのは、この必要とされる脂肪酸のうち『一価・多価飽和脂肪酸』である4種類の脂肪酸は、『必須脂肪酸』といってヒトの体の中では生成することのできない成分なのです。
これらをいかに効率よく補うことができるかという点でも、馬油とエミューオイルはとても優れた存在だといるのです。

 

 

効果

『馬油』
江戸時代にガマの油という傷薬として薬売りが商売にしていたことを考えても、やはりある程度の薬効があると考えられます。
特に火傷の治療においては、跡形もなく完治させてしまうほどの効果が見られるようです。
含まれている脂肪酸の特徴を見ても抗菌効果を持つものが多いことから、塗り薬として使えば雑菌の繁殖を防ぐこともできます。

 
しかし何より、馬油の一番の効果は”保湿”。
馬油が火傷の治療に効果を発揮する一番の理由は、皮膚内部へと浸透しながら熱傷により水分が奪われるのを防ぐことができるためです。

 
美容効果としての馬油は、導入剤としての利用が最も効果的です。
普段使っている化粧水の前に、お肌に塗っておくと馬油の成分が化粧水の美容成分を一緒に皮脂膜を通り抜け角質層へと運んでくれます。

 
『エミューオイル』
4万年前から、オーストラリアの先住民族は、このエミューオイルを万能薬として利用してきました。
傷薬として、皮膚炎の治療薬として、また関節や筋肉痛、打撲の治療薬として。

 
エミューオイルは、保湿力に優れたオレイン酸が馬油よりも更に多く含まれているので、アトピー性皮膚炎などで軽度のものであれば、この保湿力だけで治療効果を発揮するほどです。

 
また、血行促進効果もあるため、スポーツによる過度の筋肉疲労や関節炎にも、その効果が実証されており、世界のトップアスリートやその選手を有するチームで広く利用され大きな効果を上げています。

 
何よりエミューオイルは、1980年代に『豪州治療医薬品局』で正式に医薬品として認められている、いわば4万年の歴史をもった薬といえます。

 

 

一番大切なのはバランス

そして、『馬油』と『エミューオイル』を比較しての一番の注目点は、構成成分である脂肪酸の含有バランスです。

 
『馬油』も、ヒトの皮脂成分に”とてもよく似た”成分バランスをしています。
これは「飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸」という分け方をしたときの比率が「4:6」と、ヒトの皮脂と全く同じバランスであるところから、このようにいわれています。

 
「それなら、似てるじゃなくて、同じじゃないの?」と思われたかもしれませんね。

 
では、『エミューオイル』は?というと、ヒトの皮脂に”極めて近い”成分バランスです。
現存する、動植物由来のオイルの中で、最も近いといわれています。

 
含まれている1つ1つの脂肪酸の含有量に、ハッキリとした差があるオレイン酸を除き、その他はほとんどが同じといっていいほどの誤差しか見られないのです。
ちなみに、オレイン酸はヒトの皮脂に比べ、エミューオイルの方が多く含みます。

 
ですので、アレルギーを治すことはあっても、エミューオイルを使うことによりアレルギーを引き起こす可能性は、ほぼ「0」だといえるのではないでしょうか?

 
こんな事実もあります。
ヒトの骨格や筋肉の質や動きに、一番類似点の多い生物は”二足歩行の鳥”……つまり、ダチョウやエミューといった鳥なのだそうです。
皮脂成分が近いのも、もしかすると、こんなことにも何か関係があるのかもしれませんね?

 

 

エミューオイルに問題点はないの?

こうしてみると、「エミューオイルの方がいいよね?」と思われるかもしれませんが、少し問題点があります。

 
エミューは、オーストラリアの国の保護下にある鳥で、ワシントン条約で輸出入が禁止されています。
ですので、馬油に比べると流通が少なく、お値段もかなり高価であるという点です。

 
馬油もとても使いやすく、保湿などでは非常に優れた効果を得られるオイルですので、上手く使い分けができるといいかもしれませんね。

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