「28日周期」は若くて健康な肌限定?肌のターンオーバーを正常化させる方法
表皮層の一番奥にある基底部で細胞が分裂して増え、新しい細胞に下から押し上げられて肌の表面へ登って行き、死んだ細胞となって角質層の底について今度は表皮を守るバリアーとして働いて、最後は垢となって落ちる。
この表皮細胞のサイクルの繰り返しを、肌のターンオーバーと呼んでいます。
1ヶ月で本当に肌は変わるの?
美容化粧品の販促などで、“肌のターンオーバーには28日かかりますので、1月ほど使ってもらえれば効果が分かります”などと言われた経験はありませんか?
ところが、この28日間という周期は絶対的なものではなく、健康な若い肌が頑張って入れ替わった時の周期です。
残念ながら、加齢や生活習慣などによってターンオーバーの周期は長引いてしまいます。
年齢と共に、かすり傷や火傷の痕の治りが遅くなったと実感する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ターンオーバーに時間がかかると、表皮の疵の治りが遅くなるだけではなく、表皮が薄く、逆に角質層が厚くなっていき、肌のくすみや小じわ、乾燥を引き起こしてしまいます。
ターンオーバーの周期を戻すには?
それでは、ターンオーバーの周期を正常な28日に保つ、または近づける為にはどうすれば良いでしょうか?一番身近で影響が大きいファクターとして、睡眠が挙げられます。
何故かといえば、肌に限らず身体中の再生活動、つまり細胞分裂には、脳の下垂体から分泌される成長ホルモンの量が密接に関係しているからです。
この成長ホルモンは睡眠中に分泌されます。
人間は眠りにつくと、深いノンレム睡眠と、浅いレム睡眠を交互に繰り返しますが、成長ホルモンはノンレム睡眠時に、睡眠が深ければ深いほど多く分泌されるのです。
就寝すると、まず一番深いノンレム睡眠が始まり、浅いレム睡眠になり、再びノンレム睡眠が始まりますが、朝にむけてノンレム睡眠の深度、言い換えれば熟睡度は徐々に浅くなっていきます。
成長ホルモンをよく分泌させるには、眠りについてから、特に始め3時間ほどを深くぐっすりと眠ること、最低でも一日6時間の睡眠をとることが大切です。
また、できるだけ毎日の就寝時間をそろえて、成長ホルモンの分泌開始時間も一定にすることも有効といわれています。
寝つきを良くするポイント
寝つきが悪い方は、初めの深いノンレム睡眠を十分に活用できていない恐れがあります。
スムーズに入眠するコツとしては、就寝時間が近づくにつれて部屋の明かりを暗くする(=>メラトニンというホルモンが分泌されて、副交感神経が優位な状態になる)、ぬるめのお風呂にゆっくりと入り手足を十分に温めてきて、手や足がぽかぽかしている、つまり体の末端からの熱放出が起きている間にベッドに入る(=>入眠時に体温が下がることを利用して、意図的に体温を下げる)ことを試してみて下さい。
暑すぎるお風呂や明るすぎる照明、辛い料理などの刺激物は交感神経を優位にしてしまい、良い入眠の妨げとなる場合がありますので注意して下さい。
また、少々裏技的ではありますが、適量のグルタミンの摂取も成長ホルモンの分泌を促します。
よくボディービルダーやアスリートが筋肉増強の為に利用しています。