天使に選ばれた女性しか似合わない香水？ティエリー・ミュグレー「エンジェル」

長いフランスの香水の歴史の中で、名香がたくさん生まれました。
その頂点に君臨するのが世界的に有名なシャネルのNo.5です。
しかし2006年、その長い歴史の売上で唯一、一位を降ろされた経験があります。
その香水はティエリー・ミュグレーの「エンジェル」です。そのボトルスタイルはきらびやかなスターのフォルム、そして、透明感のあるガラスの素材感、圧倒的で洗練されたデザイン性を表現しています。

個性を追求したエンジェル

その香りは一言で表すなら「個性の追求」でしょう。「他にもこんな香りあるよね」とか「この香水と似た香りだよね」、なんて発言はありえません。
それは香りの歴史を作り上げた名香たちに贈られる最高の褒め言葉でしょう。

トップは元気なベルガモットとマンダリンの柑橘系の香りが舞い踊り、パッションフルーツやピーチ、アプリコットなど、フレッシュフローラル感が徐々に顔を覗かせ、ラストはバニラ、チョコレート、キャラメルといった食用にも使える、人間が「甘い」と認識しやすい甘さを漂わせます。
まさに大聖堂に描かれた小さな天使、フランダースの犬のラストシーンで見るようなキュートで愛らしい天使から、神話に出てくるような大天使ミカエルまでの成熟の一途を表現していると言えます。

パリの街角で美食家がやってきて「好きな食べ物はチョコ、キャラメル、リコリスキャンディー」とうそぶくなら、それはこのエンジェルのせいかもしれません。そんな食も女性にも美を求める好色物に出くわすことがあるとしたらですが。

まだ1993年発売されて20年ほどの人生しか歩んでいないエンジェルですが、いろいろなラインが登場して、シリーズを通しても人気がある香水であるといえます。これはもう名香といっても過言ではないでしょう。素晴らしい名作です。これから長い年月をかけて、こちらの香水もミカエルへと成長していくのでしょう。

天使に選ばれた女性が似合う香水

この香水が似合う女性は「天使に選ばれし女性」とも言われます。
それはとっても素敵な笑顔を周囲に振りまき、誰からも愛される、そんな女性だと私は考えます。そして、時折見せる成熟した大人の女性らしさも見せる、そんなギャップに男性はいつもとりこです。

もっと自分を見て、私を感じてと香水からメッセージが伝わってきます。
是非天使のようなあなたに使っていただきたいと私からも思います。身にまとうと天使のはねが生えたように気分が上がり、どこからともなく自信が湧いてくるでしょう。
あなたに香りのご加護あらんことを。

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