浣腸!宿便!デトックス!…のホントのところ
便秘が長く続いている場合等は、便秘薬の他に、おしりから直接直腸へ薬液を注入して便を出させる浣腸を行うことがあります。
宿便・デトックスについては、腸にこびりついた便が毒素を出して肌あれ等の症状が出ていて、この毒素をなくす(デトックス)が大切といわれていますが、実際はどうなのでしょうか。
デトックスと肌荒れ便秘
デトックスを考えるとき「宿便」という言葉がよく使われていますが、宿便という学術用語はなく、誤解されて認識されている場合もあります。
さらに腸のヒダにこびりついたと仮定しても、実際には腸壁の細胞は肌と同じように新陳代謝により数日間の単位で常に生まれ変わっています。つまり古くなった細胞ごとはがれてしまいます。
宿便の正体は滞留便
それでは宿便とはいったい何なのかということになりますが、ひと言で言うと「滞留便」です。
いつまでも大腸の中に排泄されずに留まってしまっている便ということで、正に便秘の状態そのものになります。
そしていわゆる宿便(滞留便)があると、腸内が悪玉菌優勢になることで腸内環境が乱れ、異常発酵が起こり有害物質ができてきます。この有害物質が全身を回り、肌の新陳代謝も乱すことで肌荒れが起きてきているのが肌荒れ便秘です。
そこでこの有害物質(毒素)を取り除く方法として、デトックス(脱毒素)があり、肛門に管を差し込み、大腸をお湯で直接洗浄するという腸洗浄が美容クリニック等で行われています。
最近では専用のコーヒーを使った自宅でできる腸洗浄キットがありますが、腸洗浄するのであれば美容クリニック等で専門家のもと腸洗浄を行ってもらうことをお奨めします。
浣腸と肌荒れ便秘
長期間出ない頑固な便秘で肌荒れが出ている場合、薬局やドラッグストアで販売されている浣腸薬も1つの選択肢として考えられます。
浣腸は、肛門にグリセリン等を入れ、物理的に腸管の壁をすべりやすくし、注入による刺激とともに便を出すもので、頑固な便秘によく使われます。
大体3~10分程度で便意を催すので、便秘薬とは違い即効性がありますが、連用していると効果が弱くなってきたり、肛門部を傷づけたりする可能性がありますので、便秘薬でうまく出ないとき、一時的に用いるといった使い方が良いでしょう。
浣腸は子供でも利用できますが、流産のリスクがあるので妊婦の使用は控えるべきで、痔の人は硬い便が強制的に出される時、肛門部が傷つけられる可能性があるので注意が必要です。