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金にも勝る希少価値?香水の原料アンバー(龍涎香)の意外な正体



香水を嗅ぐ女の子
 
琥珀ではなく、香料の名前です。
漢字で書くと龍涎香。
その名の通り、かつては竜の垂らしたヨダレが固まったものであると信じられていました。
非常に希少価値が高く、金と同じ価格で取引されていたとも言われている大変高価な天然香料です。


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品質の差が激しいアンバー

見た目はまるで石ころのよう。まさかそんなに良い香りがするなんて信じられない!と言ってしまいたくなるような形状です。
色は黒から白っぽい灰色まで様々です。そして天然香料らしくものによって優劣があります。
一般的に上質なアンバーは色が薄く、黄金色を帯びているものが最高級とされています。

その香りは麝香に似て馨しいのですが、落差が激しく、かなりバラバラです。顔をしかめるような悪臭のもの(新しいものに多い)からうっとりする麝香のような香りまで様々です。
一般的に植物性香料に比べて動物性香料は品質のブレが激しいと言われています。
特にアンバーは同じものでも時間が経つに連れて良い香りの高級品になるとのこと。
香りそのものを使う場合と、香水の香りを引き立たせ長持ちさせる目的に使う場合があります。

 

アンバーの正体とは

その正体はその香りはなんとクジラの結石。つまり病的なものなのです。
マッコウクジラは主にタコやイカを主食としています。アンバーはそれらの餌のうち、消化出来なかった部分(硬い嘴など)がマッコウクジラの腸内で結石化されたものと言われています。

アンバーは水より軽く、クジラの体内から排出されたのち、プカプカと海に浮かびながら人の手の届くところまで流れ着いて行くか、捕鯨によりクジラの体内から取り出されることで供給されていました。
現在は合成香料も開発されていますが、やはり天然のものは人の心の求めてやまない魅力があります。

 

今後はますます希少価値の高いものに

捕鯨に対する規制が厳しくなって行くことを考えると、アンバーは海岸に偶然流れ着くものに頼らざるを得なくなるでしょう(ちなみに海岸に流れ着いたアンバーを拾い、数百万の大金を手にした人もいます。日本の海岸に流れ着く可能性もあるとのこと。散歩の途中で見つかれば一攫千金のチャンス!)。
龍涎香は中国では「媚薬」とまで言われていました。
その香りはその希少価値によりますます高貴なものとなり、私達を魅了していくに違いありません。

余談ですが私の好きな香水にゲランのランスタン・ド・ゲランがあります。
この香調にはクリスタル・アンバーという名前がつけられています。
シトラスやマグノリア、ムスクやアンバーの香りは華やかさや官能や輝きに満ち、その名の通り、恋に落ちる瞬間のような香水です。

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