髪・頭皮にも馬油を。美しさとしなやかさを取り戻す馬油の使い方
馬の毛並や、たてがみを思い出してみてください。
見るからに強く、艶やか。しなやかに風に靡かせる姿は、とても美しい光景です。
もちろん、その美しいたてがみを維持するためにと、トリートメントやヘッドスパを行なっている!なんてはずは、ありませんよね。
この美しさの源は、馬自身が持つ脂肪分、所謂『馬油』なのではないでしょうか?
どうやらこの馬油、ヒトの髪を美しく保つためにも、とても有効な役割を果たしてくれるようなんです。
髪は自己修復できない
髪の毛とは一体どういったものなのかご存知でしょうか?
髪の毛は、肌の一番外側にあり、皮膚を守る役割をしている角質層が変化してできたものなのです。
角質層だといわれても、あんだかあまりピンとこない気もしますね。
しかも、角質層というのは、実はもう既に死んでしまっている細胞なのです。
肌の場合であれば、細胞の生まれ変わりであるターンオーバーにより周期的に角質層も入れ替わることができるので、肌表面になんらかのダメージを受けた場合でも、細胞が自己修復しようとする力、自然治癒力が働きます。
しかし、髪の場合は健康な場合で1日に50本程度が抜け落ち、生え変わることはするものの、既に生えて伸びている髪は、いわば死んでしまった細胞が積み重なっていっている状態なので、紫外線やカラーリングなどによるダメージを、自己修復することはできないのです。
髪と同じように、角質層が変化してできているものに爪がありますが、爪の表面に傷をつけてしまうと伸びるのを待って切ってしまうまで、傷は残ったままの状態ですよね。
髪もそれと全く同じことなのです。
髪を馬油で外側から修復する
ダメージを受けた髪というのは、どういう状態なのでしょうか。
紫外線、カラーリング、パーマ、ドライヤーの熱、過度なブラッシング、ストレス、偏食、そして毎日のシャンプー。
髪にダメージを与えることになる原因は、日常生活の中に溢れていますが、共通していえるのは肌でいうところのバリア機能が壊れてしまい、水分や栄養分が髪の中から失われてしまっている状態です。
まずは、馬油で外側から保護してあげましょう。
タオルドライした髪に塗る
洗髪後、タオルドライした髪に毛先から順に馬油をギュッギュッと髪を握るように馴染ませる。
これが一番簡単な方法です。
それだけ?
それだけです。
肩くらいまでの長さの髪であれば、顔に伸ばした後の手の平に残っている馬油を馴染ませるだけでも十分です。
馬油は、とても浸透性が高く、また構成成分がヒトの皮脂とほとんど同じであるため、すぐに馴染みますが、やはり油ですので付け過ぎるとベタベタするので、つけ過ぎには注意です。
本当にわずかな量で、しっとりと手触りが変わりますので適量を見つけてくださいね。
馬油を溶かしたお湯に髪を浸す
シャンプー後、洗面器などにお湯を張り、少量の馬油を溶かして髪を浸す、もしくは髪にかけてください。
これだけでもしっとりとしますよ。
※馬油は高温多湿の場所で保管すると腐敗しますので、容器から必要量だけを浴室に持って行くのがベストです。
これで乾いた後も、翌朝も、柔らかな髪の手触りはそのままで、うねりも治まってきますよ!
健康な髪を生やすために
もう一つ、髪が元気な状態であるためには、何より頭皮の状態が良くなければなりません。
これは、痩せている土地に良い作物が育たないのと同じことだと考えれば分かりやすいかもしれませんね。
でも、自分の頭皮の状態が良好かどうかを確認するのは、なかなか難しいですよね。
鏡には映りにくいし、映ったところで、その状態がどうか?といわれても、よく分かりません。
では、頭皮の状態を自己診断するには、どうすればいいでしょうか?
一つの目安ですが、頭皮をマッサージする時のように左右10本の指先、もしくは指の腹で頭皮を抑えながら前後に動かしてみてください。
指先をスライドするのではなく、頭皮だけを動かす感じです。
その時、膝頭のすぐ下の窪んでいる辺りと同じくらいの柔らかさであれば、頭皮の状態は概ね良好だといえます。
この良好な状態を保つ、または良好な状態に戻すためには、馬油での頭皮マッサージがお勧めです。
シャンプー前に頭皮のマッサージ
マッサージは髪が乾いている状態で行います。
頭皮に馬油を直接塗り、指の腹で優しく丁寧に揉み込み、蒸しタオルで15分程度蒸らしてからぬるま湯で流し、普段通りにシャンプーをしてください。
ヒトの細胞間脂質に非常に近い成分である馬油は、足りなくなった皮脂を補う形で頭皮を保湿すると共に、皮下組織まで浸透することで、刺激を与え血行を促進することで頭皮の状態を良好に保ちます。
また、馬油の脂肪酸の中に含まれているαーリノレン酸には、養毛の効果もあるとされている上、抜け毛、白髪の改善にも繋がるという説もあります。
馬油で臭いやベタつきの改善
臭いやベタつきが気になるからといって、1日に何度もシャンプーをしたり、強く擦ることで頭皮を傷めたりはしていませんか?
シャンプーやお湯が、頭皮に必要な水分や皮脂を削ぎ落しているかもしれません。
洗い過ぎは、洗わないよりトラブルを引き起す可能性が高いのです。
そんな時こそ、ぜひ馬油マッサージを、試してみてください。