漢方薬で冷え性を治す！付随症状から考える漢方薬の選び方

 
現代女性は冷えに悩む方が多いようです。
オシャレにこだわるあまり冷えやすい服装をしていたり、体を温める根菜類やショウガ等が多く含まれる伝統的な和食よりも手軽で便利な洋食を好む方が増えており、これでは体は冷えてしまいます。
また現代社会はストレス社会でもあり、ストレスを感じると自律神経が乱れ常に緊張状態になり、血流が悪くなるので冷えを引き起こします。

 
身体が冷えてしまうと熱を生み出せない体となり、風邪を始め様々な病気にかかりやすくなります。
また基礎代謝も下がるので太りやすいのに痩せにくいという、女性にとっては避けたい状態になってしまいます。
ですから冷えはまさに百害あって一利なしと言っていいでしょう。

ここでは漢方を服用して冷えを解消する方法についてご紹介したいと思います。

 

漢方とは

漢方は生薬を組み合わせてできた医薬品です。

私たちが身体の調子が悪い時に服用している薬は、西洋医学に基づいて処方されているものです。
西洋医学は悪い所を取り除いて身体を健康にしてくれるので、それに基づいて処方された薬は即効性があるため私たちの日常に根づいています。
ですが西洋医学とて万能ではありませんので、こういった時には東洋医学の力を借りてみるといいでしょう。

西洋医学に対して漢方は東洋医学に基づくものです。
東洋医学とは身体の悪い場所だけでなく、身体全体に作用して自然治癒力や抵抗力を高めることにより身体を健康にすることを目的としています。

東洋医学に基づいて処方される漢方薬はいわゆるいつも飲んでいるお薬のように即効性はありません。
最低でも2～3カ月は続けないと自分に合っているかどうかわかりません。

ですが身体全てを健康にしてくれる働きがあり、また生薬からできているので副作用も西洋医学の薬のそれと比べれば格段に低いのがメリットです。

「冷え」は西洋医学においては冷えやすい体質であるというだけで、それだけで病気だという認識はありません。

対して東洋医学では冷えは「未病」「万病の元」と表現され、病気の一歩手前の状態であり、改善すべきものだと考えられています。

ですから漢方は冷え性解消にとても有効な手段と言えます。
実際に冷えに効果のある漢方薬は数多く存在するので、自分に合ったものを探してみましょう。

 

冷えに効くお薦め漢方薬

では冷え性さんにお勧めの漢方薬を具体的にいくつかご紹介したいと思います。

 
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさんりょう)…
貧血や冷え性の方にお勧めです。冷え以外にも月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害にも効果があります。

 
●苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)…
とくに腰を中心に下半身の冷えが強く、痛みを伴うときにお勧めの漢方薬です。
体をあたため冷えを解消し、足腰の痛みをやわらげてくれます。

 
●当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)…
体の内側から作用するので、冷えから来る頭痛、腰痛、下腹の痛みに効果がありしもやけになりやすい方にもお勧めです。

 
●人参湯(にんじんとう)…
人参には体力を補う働きがあり、体力の衰えている虚弱体質の冷え性タイプの方に有効です。

 
●五積散(ごしゃくさん)…
胃腸虚弱で顔色が悪く、上半身は火照っているのに対し、下半身が冷えて痛む方に向いています。

 

処方してもらえば経済的負担減

漢方が冷えに効果があるとはいえ、漢方には即効性がないので数カ月単位で継続して飲まないと効果がないことは前段でご紹介しました。

そうなってくると経済的負担が気になりますね。
漢方で冷えを改善でき出来たら嬉しいけど、あまりにも高額だと継続して続けることができません。

現在140種類以上の漢方薬が健康保険を適用することができることをご存知でしょうか？
もちろんこれは数多く存在する漢方の一部でありすべてではありません。
しかしながら利用者の多い有名な漢方の多くはこれに含まれています。

健康保険を適用すれば一般的なお薬と変わらない金額で漢方を処方してもらえるので、ぜひ覚えておきましょう。

健康保険適応の漢方は安くて医師が処方してくれるので、対象外のものよりも効果があるかと言われれば必ずしもそうではありません。

健康保険適応の漢方は作り方がマニュアル化されているので、どの患者さんにも合うわけではないのです。
これに対して健康保険適応外の漢方薬は、患者さんの既往歴やライフスタイルに応じて最適な漢方薬を調合することができるので一人ひとりの体に合いやすいのです。

ですから最初は保険適応外の漢方を調合してもらい、自分にはどのような漢方が合っているかわかるようになってから保険適応のものに切り替えるというのも一つの方法です。

 

体の本来の機能を引き出す漢方薬

冷え性には漢方が効果的であるということをご紹介しました。
漢方は体本来の持つ抵抗力を高めてくれ、体に負担が少なく優しいお薬です。

漢方は効果が表れるまでに時間がかかりますが、体の内側から体全体に確実に作用するので途中でやめてしまうことなく続けてみましょう。

大切なのは継続することなので、自分に合っていて無理なく続けられる漢方薬を選ぶようにしましょう。