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αリノレン酸たっぷり!万能オイルえごま油の効能と成分とは



食事
 
テレビでも取り上げられて人気のえごま油。有名になったのは最近ですが、じつは日本では昔から使われてきた万能オイルです。栄養豊富で健康にも良い、えごま油の効能と成分をご紹介しましょう。


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えごまとは

えごま(荏胡麻)は、東南アジア原産のシソ科の1年草で、少し大きめの葉の形は、青じそとよく似ています。名称に「胡麻」が入っていますが、ごまは遠縁の親戚、しそは兄弟のような関係です。日本ではえごまよりもしそが知られていますが、地域によっては、しそよりもえごまを好んで食べる地域もあるんですよ。

歴史的には、平安時代に始まり、江戸時代に菜種油が普及するまで、日本ではえごま油が灯明油だったそうです。一般家庭で毎日使われる油だったということですね。
現在では、東北で栽培が盛んで、中でも福島県がいちばんの産地となっています。食用というよりは食用油のために栽培されている場合が多くなっています。

 

えごま油の特徴成分はα-リノレン酸

えごま油の特徴成分はαリノレン酸です。この貴重な脂肪酸は、えごま油の脂質の約60%を占めており、含有量がとても多くなっています。これが、えごま油の人気の秘密と言えます。
えごまのほかにαリノレン酸が多い食材として、亜麻仁があります。亜麻仁油も人気の食用油ですね。

 

αリノレン酸とは

αリノレン酸は、体の中で作り出すことのできない必須脂肪酸の1つです。生きていくのに必要なのに体内で合成できないので、食品から摂取することが大切です。
脂肪酸は、炭素、水素、酸素から成り立っており、炭素の結合が2つ以上持つものを多価不飽和脂肪酸と呼び、これは体内で合成できないけれど摂取が必要な脂肪酸として、「必須脂肪酸」に指定されています。

リノレン酸には3つの種類がありますが、1887年に発見されたαリノレン酸はそのうちいちばん最初に発見されたリノレン酸です。
αリノレン酸は、多価不飽和脂肪酸の中で、オメガ3(n-3系脂肪酸)と呼ばれる種類に分類されています。この成分が不足すると、脳や神経、皮膚などに悪い影響が出てしまいます。
αリノレン酸は、体内でドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)に変換されます。DHAやEPAというと、青魚から摂取できる栄養素ですね。

 

αリノレン酸の効果

αリノレン酸の効果には、次のようなものがあります。

 
●血流改善、血栓予防
DHAやEPAは、血液をサラサラにする作用があります。それによって、動脈硬化や心筋梗塞を防ぎ、脳の働きを高めます。脳内の細胞膜はDHAやEPAを必要としますので、αリノレン酸が足りない状態になるとと、脳や神経に悪い影響が出ます。

 
●血管を強化
αリノレン酸は細胞膜を構成する成分なので、これを摂取すると、血管が強くしなやかになります。

 
●アレルギーを抑制
αリノレン酸と同じく必須脂肪酸のリノール酸は、摂取すると血中コレステロール値や中性脂肪値を低下させるはたらきがあります。ところが、摂り過ぎると、アレルギーを悪化させ、大腸がんのリスクを高めることがあるのです。その点、αリノレン酸は、リノール酸の悪い影響に作用し、アレルギーを抑制することができます。

 
●認知症予防
認知症の予防には、脳の神経細胞を壊して減らさないことが肝心です。神経細胞はいちど壊れてしまうと元には戻りません。今ある神経細胞を活発にし、老化やストレスで死んでしまわないようにすることが大切になります。
そのために、αリノレン酸は、とても役に立つということが分かっています。
αリノレン酸は、体内でEPAやDHAに変化し、脳の栄養素となります。血流が改善され、脳が刺激されるので、老化で鈍くなっている脳の神経細胞が活発に動くようになります。

 
●うつ症状を軽減
うつ病患者を対象にした調査で、αリノレン酸などのオメガ3系の脂肪酸の蓄積量が低かったことが分かっています。また、妊娠・出産時にもオメガ3系脂肪酸が著しく低下する傾向があります。このような状態の時には、普段以上にαリノレン酸を摂取したほうが良いですね。

 
●老化予防(アンチエイジング)
丈夫な細胞膜を保つには、細胞膜を構成しているαリノレン酸が欠かせません。

 
●視力改善
目の網膜を構成する成分なので、視力改善にも効果があります。

 
●がん予防
えごま油は、免疫力を向上させ、がんの危険因子とされるリノール酸を抑えるはたらきもあります。大豆油やベニバナ油などのリノール酸の多い油に比べると、αリノレン酸の多いしそ油を比較した実験で、しそ油は、腎臓がん、大腸がんの発ガン率を抑え、乳がんの個数を抑えたという結果が出たそうです。がん転移に関しても、リノール酸が転移を促進したのに対し、αリノレン酸は転移を抑制するとのことです。

 

えごま油のとっておき成分1「ロズマリン酸」

えごま油には、αリノレン酸以外にも体に良いとっておきの成分が含まれています。
その1つ、ロズマリン酸は、ダイエット効果がある成分として注目です。
ロズマリン酸は、ブドウ糖の増加を抑える作用もあるので、中性脂肪が増えるのを防ぎ、血糖値の上昇も抑えます。αリノレン酸には、油を分解し、脂肪をためないはたらきもありますので、このロズマリン酸との相乗効果で、えごま油を毎日摂るとダイエット効果も得られます。
また、ロズマリン酸は抗酸化作用の高い脂肪酸なので、肌を健康に保つ美容効果もあるんですよ。

 

えごま油のとっておき成分2「ルテオリン」

もう1つのとっておきの成分、ルテオリンは、ポリフェノールの一種です。最近の研究で、飲酒していない人が発症する脂肪肝の予防に有効であることが明らかにされました。
このルテオリンも、えごま油の特徴成分と言えます。αリノレン酸と合わせて注目の成分ですね。

 

えごま油の効能で健康な毎日を!

以上、えごま油の成分と効能をお伝えしてきました。αリノレン酸のすぐれた効能が、えごま油にはたっぷり入っていて、認知症予防やアレルギー予防からダイエット効果まで盛りだくさんの効能でした。えごま油を料理に上手に摂り入れれば、健康な毎日が送れますね!

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