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強力保湿成分「スクワレン」と「スクワラン」の違いはどこにある?



基礎化粧品セット/商品ラベル付き
 
市販されている化粧品やサプリメント、そのパッケージラベルに記載されている原材料を確認することはありますか?

サプリメントは、食べる物なので必ず見るという方も多いのではないでしょうか。
逆に化粧品やスキンケア用品の方は、見てもよく分からないカタカナの名前が並んでいることが多くて、あまりジックリと読むことはないでしょうか。


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では、そのサプリメントや化粧品、スキンケア用品に頻繁に使われている材料の中に、とてもよく似た名前を見つけたことはありませんか?

『スクワレン』と『スクワラン』。

表記ミス? いいえ、そうではありません。
この2つ、一体どのような関係のものなのでしょうか?

 

スクワレンとスクワラン

「スクワレンとスクワランって、アロマ”セラピー”とアロマ”テラピー”みたいなものなんじゃないの?」
そんな風に思っている方も、いらっしゃるかもしれませんね。

“aromatherapy”の場合は、”the”の部分の発音のフランス語読みが”セ”、英語読みであれば”テ”という違いで、意味は全く同じです。
けれど「スクワレン」と「スクワラン」は、そうではありません。

スクワレンとスクワラン共に、原料となっているのは、主に深海鮫の肝臓の脂質である「肝油(かんゆ)」です。

原料も同じ、名前もよく似ている、では何が違うのでしょうか?

 

不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸

スクワレンとスクワランとの大きな違いは、それぞれが不飽和脂肪酸であるか、飽和脂肪酸であるかということにあります。

<違い>

●スクワレン→不飽和脂肪酸
●スクワラン→飽和脂肪酸

 
なんだか、化学の授業のようで頭が混乱してしまいそうですね。

けれど、この違いにより食品として体内に摂りこむサプリメントと、肌表面に使用する化粧品やスキンケア用品。
その使途の明確な違いが生まれるのです。

 

スクワレンとスクワラン、それぞれの特徴

●スクワレン(不飽和脂肪酸)→炭素と水素の数のバランスが悪いためすぐに酸素と結びついてしまう性質を持つ。

●スクワラン(飽和脂肪酸)→炭素と水素の数のバランスがとれているので、酸素とは結びつきにくい。

 
「酸素と結びつく・結びつかない」とは、要するに、「酸化しやすいか・しにくいか」ということです。

スクワレンは、不飽和脂肪酸であるため、空気に触れるとすぐに酸化し始めてしまうのです。
このため、化粧品などのように肌の表面に塗るための利用には、適していないということになります。
サプリメントとして利用される場合も、空気に触れないようにカプセルなどに入れるなどの工夫がなされています。

では、ここで次の疑問が湧いてきませんか?

同じ鮫の肝油から出来ているはずのスクワランは、何故、酸化しにくい飽和脂肪酸なのでしょうか?

 

スクワレンから、スクワランへ

それは、スクワランはスクワレンを”水素添加”したものだから、なのです。

水素添加とは、炭素と水素の数のバランスを取るために、人工的に水素を添加し数のバランスをよくすることをいいます。
これによって、不飽和脂肪酸→飽和脂肪酸となり、スクワレン→スクワランになったわけです。

こうして、水素添加することによりできたスクワランは、酸化しにくい性質を利用し肌表面に使用する製品の成分として、利用されているというわけなのです。
良い成分を肌からも得ることができるように、水素添加させたという方が合っているかもしれませんね?

ここで、”水素添加”と聞いて何か引っかかる方がいらっしゃるかもしれません。

そうです、水素添加というと、マーガリンなどに含まれる体に害があるとされるトランス脂肪酸が、スクワランにも含まれることになるのでは? という心配ですが、そもそもスクワランは炭化水素であり脂肪酸ではないので、水素添加をしたところで、それがトランス脂肪酸に姿を変えることはありません。

安心していただけたでしょうか?

 

スクワレンがヒトと馴染みの良い理由

では、どうしてスクワレンやスクワランが、それほどまでにヒトの体との馴染がいいのでしょうか?

スクワレンは深海鮫以外にも哺乳類や、オリーブオイル、米ぬかなどの植物にも含まれています。
そして、「生肝油」などのサプリメントや、「コエンザイムQ10」といったスキンケア用品の原材料としても使用されているスクワレンとスクワラン。
実は、スクワレンはヒトの体内の皮脂細胞の中でも生成されているのです。

体の細胞を覆う被膜となるコレステロールも、このスクワレンから出来ており、他にもリンパ節・骨髄・肝臓・副腎などの細胞内にも存在しています。

このため、体内でも、肌の表面でも、ヒトの体との馴染みがとてもいいのです。

 

スクワレンの効果・働きは?

●バリア効果
 ヒトの皮膚細胞で生成されたスクワレンの一部は、肌の表面である表皮に分泌されることで、空気中にある雑菌などから 肌を守るバリアの役割を担っています。

 
●高い保湿効果

 
●殺菌作用
 スクワレン濃度70%以上で、大腸菌や黄色ブドウ球菌、緑膿菌などの働きを抑制。
 また、白癬菌には濃度10%のもので、その効果が認められるとの実験報告があるそうです。

 
●鎮静作用
 痛みや痒みを抑える鎮静作用があり、また、壊れた細胞を復元させる効果もあるので、漢方でも古くから肝油を火傷など
 の治療薬として利用されていました。
 また、アトピー性皮膚炎特有の痒みや、乾燥にも効果があるとされています。

 
スクワレンの生成・分泌量は年齢と共に減少し、それに比例してハリやツヤが失われていきます。
スクワレンや、スクワランを上手に補給して、アンチエイジングしたいですね。

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