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馬油はガマの油?シミ、しわケアの救世主「馬油」の効果の秘密とは?



馬
 
『馬油』どう読むかご存知ですか?
日本では「バーユ」と読むのが一般的のようです。
「マーユ」という読み方も聞いたことがあるかもしれませんが、これは中国読みなのだそうです。

馬の油と書いて「バーユ」。いったい、どんな油なのでしょうか?


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馬油の起源

そもそも、馬油の起源は約4000年前の中国の騎馬民族の時代とされており、5~6世紀頃の中国の医師が書いた書物には、既に馬の油が薬用として使われていたことが記されているといいますから、本当に古くから医薬品として、生活の中に用いられていたことがわかります。

では、その馬油がいつ、どのようにして日本に伝わったのか?というと、実のところ正確には分かっていないようなのですが、有力な説としては、今から約1300年前、奈良時代に名僧・鑑真和尚が日本へと渡日した際に伝えられたのだとされています。

もう一つ、馬油に関する面白いお話があります。
それは、江戸時代に傷や火傷を跡形なく治す万能薬としてしられていた『ガマの油』の正体は、実はこの馬油だったのでは?というという伝え話です。

どうして、馬がガマなのか?
それは、当時、馬の肉を食用とすることが禁じられていたため、「我が馬の油」と言いたいところを「我馬の油」、「ガマの油」と、まるで大喜利のようなカモフラージュをしていたためだったと言われています。

 

馬油ってどんな油?

馬油は、先程の話にもあった通り『馬の油』です。
普段、食用とされている馬肉に含まれている物と全く同じ物と考えていただいていいと思います。
けれど馬の油を食べることで、その薬効を感じていたかというと、どうやらそれは違うようです。

5~6世紀頃に書かれた文献には「馬の油は髪を生ず」と、また16世紀に書かれた、同じく中国の薬学書物には「シミ・ソバカスの除去、肌荒れ、筋肉痙攣の緩和」といった内容が記されており、当時から髪や皮膚などのトラブルや美容によいとされてきたようです。

それにしても、16世紀の当時も、21世紀の現代も髪や肌の悩みが同じだったのかと思うと、なんとなく親近感がわいてきますね。
アンチエイジング、美白、綺麗なお肌は女性の永遠のテーマなんですね。

さて、ではその馬油は、何故そんなにヒトの髪や肌に馴染むのでしょうか?

 

馬油の成分のヒミツ

馬油は、その全てが脂肪酸でできています。
脂肪酸といえば、オリーブオイルや、今ブームとなっているココナッツオイルなどの主成分と同じですね。
けれど馬油には、オリーブオイルやココナッツオイルの脂肪酸では代替えできない、ある秘密があります。

それは、馬油を構成する脂肪酸、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比率です。

馬油の主成分、飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸の比率は、おおよそ4:6となっています。
通常、動物性脂肪には飽和脂肪酸の方が多く含まれていることが多く、不飽和脂肪酸は魚や植物の脂の中に多く含まれていることが多いのですが、馬油に関しては例外のようです。

この4:6の比率、実は、ヒトの肌を保護している皮脂に含まれる脂肪酸と、全く同じ構成比率なのです。
つまり、馬油を塗るということは、皮膚に自分自身の皮脂を塗り、肌トラブルから保護している状態ということです。

<馬油に含まれる脂肪酸>

・ラウリン酸/抗菌、免疫力向上効果。ココナッツオイルや母乳にも含まれる成分。
・ミリスチン酸/たんぱく質を刺激し、ホルモン分泌を促進、細胞膜の保護。
・パルミチン酸/抗酸化作用
・パルミトレイン酸/皮膚の老化防止
・ステアリン酸/抗酸化作用
・オレイン酸/ヒトの皮脂に最も多く含まれる成分。バリア効果。

 
他にも、必須脂肪酸であるリノール酸やα-リノレン酸なども含まれています。

 

成分ゆえの高い浸透力と保湿性

保湿剤としてよく使われている物に、ワセリンやミネラルオイルといったものがあります。
どちらも、比較的安価で非常に副作用の少ない成分でできているため「使っているor使ったことがある」という方も多いのではないでしょうか?

ワセリンとミネラルオイル、これらは鉱物油という種類で、どちらも石油を原料として酸化されにくく精製されたものです。
この2つは、今ある水分を逃さないように、油膜で皮膚の表面に蓋をする方法で保湿をします。
油膜で覆うため、どうしても塗布した部分にはベタつきが残ってしまいます。

一方、馬油の場合はヒトの皮脂と非常に近い成分構成であることに加え、とても高い浸透力を持っているため、肌に塗るとスッと馴染みベタつきは全く残りません。

そして、浸透した馬油はどこへ行くのかというと、皮膚の隙間に浸透し細胞間までタップリと皮脂を補っていきます。
つまり、肌の中から潤った状態を保つという方法で保湿しているということになります。

しかも、この馬油は驚くほど伸びがよく、マッチ棒の先程度の量で腕1本に伸ばせるのですから、結果的にはとてもコストパフォーマンスが良いということになります。

もちろん、肌の状態やトラブルのあるなしにより、一概にどちらかがいいという判断はできませんので、ぜひ使いやすい、お肌に合うものを選んでみてください。

 

気になる馬油の臭いは?

また、馬の油というと「臭いは?」と心配になるかもしれませんが、現在市販されている物のほとんどは無臭となっており、鼻につけても臭いは感じませんので、敏感な方でも安心してお使いいただけるのではないでしょうか。
(商品によっては、バラやヒノキなど人工的に香りづけされているものもあります。)

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