精油とエッセンシャルオイル、アロマオイル。違いはなに？

 
アロマテラピーで大事なのは、使用するオイルの使い方です。しかし、市販されているオイルはたくさんあって、正直どれを選んでいいのか分からないという人も多いことでしょう。特に、名称としてエッセンシャルオイルとアロマオイルというのが標準的に使われています。二つのオイルには違いがあるのか、それともないのか徹底的にご紹介していきたいと思います。

エッセンシャルオイルとは？

エッセンシャルオイルの意味は、日本アロマ環境協会等で定義されています。一般的に精油といえば、エッセンシャルオイルのことを指します。

エッセンシャルオイル（精油）とは、植物由来のものから抽出された天然素材です。花や果実、根っこや種子などが原料にあたり、高濃度な芳香物質です。芳香成分は揮発性のものなので、時間が経つと消えてしまいます。また、水に溶けにくいのですが、油には溶けやすい親油性があります。この、芳香性・揮発性・親油性を持つのが、エッセンシャルオイルの特徴です。

オイルと呼ばれてはいますが、油分ではありません。例えば植物油は、脂肪酸とグリセリンが結合してできています。エッセンシャルオイルにはそのような成分は一切含まれず、天然の有機化合物そのものです。エッセンシャルオイルは、抽出される植物やその部位によって香りや効能が異なり、各エッセンシャルオイルの特性を活かすことがアロマテラピーの基本となっています。

エッセンシャルオイルの製法

また、天然成分を抽出することでつくられるエッセンシャルオイルには、精油の採取元となる植物によってさまざまな抽出方法があります。最も多く利用されるのが、水蒸気蒸留法です。水蒸気を使って、芳香成分だけ蒸発させて精油を採取する方法です。蒸発した芳香成分を冷却することで水と香料部分を分けるのですが、この時分離した水分の中にも水溶性の香りが残ります。そこで、この分離した水分を芳香蒸留水と言い、アロマテラピーでも活用しています。

水蒸気蒸留法以外には、圧搾法などがあります。柑橘系のエッセンシャルオイルを採取するときに利用され、果皮をローラーなどで圧搾して芳香成分を取り出します。この他、親油性を利用して、芳香成分を油に溶かして採取する揮発性有機溶剤抽出法といった方法もあります。ただし、水蒸気蒸留法や圧搾法に比べて、芳香成分の採取率が低いので、揮発性有機溶剤抽出法で採取したエッセンシャルオイルは高級なものになりがちです。

アロマオイルとは？

これに対して、アロマオイルはエッセンシャルオイルよりも広義に使われています。香りを含んでいるものといった意味で使われることが多いです。従って、エッセンシャルオイルもアロマオイルと呼ばれることがあります。ただ、合成香料をアルコールやキャリアオイルなどで希釈したものもアロマオイルになります。天然香料と合成香料が混じっているものもあり、植物由来のオーガニックなものとは言いがたいところがあります。

市場に出回るものとしては、エッセンシャルオイルに比べて安価なものが多いのも特徴です。これは天然香料以外のものを使っているためです。アロマオイルは、とてもアバウトな表記ですが、定義については統一されていないため、エッセンシャルオイルもアロマオイルもごく一般的に使われています。アロマオイルと表記してあるものでも、良質な精油であることは多いので、購入するときには、その成分をしっかり確認する必要があります。

ごく普通に香りを楽しむ上では、エッセンシャルオイルもアロマオイルも有用なものですが、マッサージなど直接肌に触れる要な場合、アロマオイルの中には鉱物油が混ざっていたりするので、注意して使用しなければなりません。また油分を含んでいるので、引火の可能性がある点でも取り扱いには十分気を使う必要があります。

アロマオイルのグレード

エッセンシャルオイルとアロマオイルには上記のような違いがあるので、アロマテラピーでは、基本的にエッセンシャルオイルを使用することになっています。このような香料製品には、グレードがあり、二つのオイルを区別するときに指標にもなります。

グレードは現在、3種類あります。一つ目が、インダストリアルグレードで、合成香料が含まれるものです。アロマオイルと呼ばれますが、エッセンシャルオイルとは呼ばれないものとなります。主に産業用に大量生産されたものを指します。

二つ目が、100％ピュア＆ナチュラルグレードです。こちらは、合成香料が含まれないためエッセンシャルオイルの区分になります。しかし、農薬などの使用がなされているため、植物由来の天然素材とはいえ、オーガニックなものではありません。主に化粧品や香水などを作る際に用いられていたりします。

三つ目がオーガニックグレードで、有機栽培された植物から採取されたエッセンシャルオイルを指します。天然香料の採油率は大変低く、オーガニックグレードとなると付加価値がつき、通常の3倍程度の値段で取引されています。主にアロマテラピーの専門店などで購入できるエッセンシャルオイルになります。品質の良いものについては、医療用に用いられることもあります。

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